書評<眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎>


ヴェネチアのとある貴族の一族は、50歳前後になって発症する奇妙な病に取り憑かれていた。不眠からやがて死に至る病<致死性家族性不眠症(FFI)>である。多くの親族をなくしながら、3世紀に渡って正確な病名も分からなかったが、やがて世界に似た病が存在すること、その病に共通するのが<プリオン>なるたんぱく質であることが分かってくる。

<眠れない一族>は物語の切り口にすぎない。本書はプリオンを巡る粗大なノンフィクションである。イギリスでアウトブレイクした<狂牛病>によって一気に名を知られたプリオンだが、そこに至るまでには様々な発見と研究があった。本書を読めば、プリオンを巡る現在までの歴史が一気に理解できる。その歴史をただ書き重ねるだけでは退屈な読み物だが、様々なエピソードの積み重ねによって、著者は本書をプリオンを主題とした一流の”ミステリー”に仕上げている。ヴェネチア貴族の数奇な運命。汚れ仕事をいとわない、有能だがロリコンがたまにキズの科学者のフィールドワーク。傲慢な嫌われ者のノーベル賞学者の研究。対応の遅れで狂牛病被害を広げた、どこぞの国の厚生省のようなイギリスの官僚組織。かなりの長編だが、一気に読み進めた。

本書によると、日本人は狂牛病に対する抵抗力は遺伝的にないそうである。お気楽にマックを食ってる場合ではないのかもしれない。

初版2007/12  紀伊國屋書店/ハードカバー

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C-17 Day2nd&Day3rd

今回のトヨタの大量リコールの問題についての社長の会見はひどかった。特に英語が。なんつーか、ドメスティックで、とても国際企業の社長とは思えん。

そんなこととは関係なく、C-17は主要構成部の切り出しと組み立て。
今回は自分としては珍しく、アフターパーツを用いて一部を改造。
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ウルフパックデザインのC-17用のフラップダウンセットを使用して、前縁フラップと後縁フラップをダウン仕様にします。ウルフパックデザイン、現用機モデラーのこだわりをくすぐるアイテムを発売してるのですが、手に入りにくいのがたまにキズ。札幌在住時代にガネットに入荷待ち注文しておいて、忘れたころに静岡で受け取った次第。
C-17はSTOL性能を確保するために、大面積のスロッテッド・フラップを採用しており、その構造が複雑。なので主翼パーツはこんな構成に。
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本来のパーツはウラオモテ2枚ですが、前縁および後縁をカットしてレジンパーツを組み込みます。普段、あんまり大工事をしないので、カットソーを使った主翼パーツの切断だけで一日がかり。疲れました。
主翼パーツの目処がついたところで、胴体パーツを切り出したわけですが・・・
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これはヒドイ。機首部分にどうやらプラが回りきらなかったようで、一部が欠けています。ドイツレベルは信頼のおけるメーカーのはずだったんですが、ちょっと残念。エポキシパテで補填することとしましょう。
胴体パーツも固定したところで、とりあえず仮組みしてみる。
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1/144ということもあるのでしょうが、C-17の立体を見て印象に残るのは、太い胴体よりもむしろ高い垂直尾翼です。バランスを取るのが大変なんだろうなあ。
次はエンジンポッドですよ。

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書評<世界犯罪機構>

旧ユーゴスラビア紛争の取材をとおして、そこにはびこる犯罪組織の暗躍を深く知ることになった著者が、バルカン半島を出発点に、世界各地の犯罪組織を取材し、その組織の実態と国際的なつながりを明かしていくノンフィクション。

コロンビアの麻薬カルテルの例を出すまでもなく、小国の国家予算をものともしない資産を持った犯罪組織はこれまでもあったし、その犯罪行為が国境を越えることも当たり前であった。だが、本書は犯罪組織が越境を超え、世界を網の目のように覆っている姿を浮かび上がらせる。それはやはり、ソ連の崩壊の影響が大きい。共産主義陣営の急速な体制崩壊とその後の脆弱な国家体制は、法などものともせず金儲けに走る犯罪組織を生み出した。世界の半分を覆うに過ぎなかった犯罪組織が、もう半分ともつながることになったのである。それに、世界経済のグローバル化が拍車をかける。カネのサービスのダイナミックな動き、際限なく拡大し続ける貧富の差、そういった諸々の社会問題が、ダイレクトに犯罪組織の拡大につながっている。違法薬物の販売や人身売買を中心として、各国の犯罪組織が繋がりを強めている実態を本書は描き出している。
新しい犯罪も生まれている。迷惑メールのフォルダをたまに除くと、ブラジルなどいわゆるBRICsと呼ばれる国からのメールが数多くある。これらサーバー犯罪にも、組織犯罪は大きく関わる。
現在のグローバル企業のごとく、拡大と国際的提携を続けていく犯罪組織。市場原理主義の負の一面である彼らの暗躍は、現在の世界情勢が激変しない限りは続くだろう。ゆるやかでもいい、社会構造の変化を望まずにはいられない。

初版2009/11 光文社/ハードカバー

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C-17 Day1st

バッカニア製作の件、前言撤回させてください。CMR製とはいえ、いざパーツを見ると難度が高い。こりゃオレのレベルで3ヶ月でモノになるものではありません。来年向けにします。
というわけで、その代わりに手持ちでは大物の部類に入るこのキットで行きましょう。
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ドイツレベルの1/44ボーイングC-17AグローブマスターⅢです。1/144とはいえ、そこは60tあるM1エイブラムス主力戦闘戦車をも搭載できる巨人機。北海道在住の際はとても持ち込めなかったので、いい機会です。
早速、製作に入りましょう。
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このキットは胴体が内側・外側の2重構造で、内部が再現されています。なぜか輸送機や輸送艦の貨物搬入・搬出シーンが好きなので、ここはもちろんカーゴベイ・ドアをオープンにして製作。そのために、床面や下面胴体の切り離しが必要になります。その他、コクピットや脚収納庫などランナーから切り離して組み立てて塗装。
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F-22もそうでしたが、脚は収納庫に事前に接着しておく方式。構造上、しょうがないということもあるのですが、破損の心配や全体塗装の際のマスキングがしずらいのが難点。脚自体も機体の大きさにたいしてやや華奢。今後がちょっと心配です。
カーゴデッキの床はクレオスのスーパーメタリック・ステンレスにデカールで複雑な構造を再現。1/144なのでこのくらいで十分でしょう。胴体の内壁は下部をC317グレー、上部をノーマルのシルバーで塗り分けてます。
考えてみると、モデラーに出戻ってミニスケール製作は初めてかも。慎重にコトをすすめましょう。

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E-2C Completed

ハセガワ1/72グラマンE-2Cホークアイ、完成しました。
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E-2Cはアメリカ海軍の艦載早期警戒機として開発されました。太平洋戦争時の特攻機から始まる、空母機動艦隊への経空脅威に対する海軍の回答が強力な機上レーダーを搭載する早期警戒機でした。水平線越えあるいは低空侵入する敵機を探知するために機体背部に回転式レドームを装備するE-2は、その後の同種の航空機のお手本となりました。
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キットはハセガワ渾身の新金型製品をストレートで製作。シャープなスジ彫りが施されたパーツの合いにまったく問題なし。注意点は非常にテールヘビーなため、オモリを多めに仕込むことくらい。今回は案の定オモリが足りなかったため、ノーズギアの収納庫から釣り用のオモリを押し込んでいます。
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組み立てに手がかからない分、塗装は多量のマスキングテープと手間が必要となります。今回はエデュアルドのマスキングシートを使用して手抜きしていますが、それでも主翼と尾翼の前縁などは思ったより手間がかかります。エデュアルドのマスキングシート、標準装備でもいいくらい重宝です。
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E-2Cは”プアマンズ・AWACS”として各国空海軍で使用されており、今回はスカイ・デカールを使用してイスラエル国防軍仕様にしてみました。外形上の違いはコクピット上の空中給油プローブで、A-4スカイホークのキットのものを流用しています。塗装は上面C307・下面C308の制空迷彩。既に退役した機体ですが、今回の製作にあたってググッてみると、メキシコ空軍がイスラエル国防軍から中古のE-2Cを購入してるんです。もしかしたら実機はまた飛んでるのかも。
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今回はコクピット内のアンチグレアを塗り忘れるというアクシデントがありましたが、なんとかそれを突破して完成。整形したクリアパーツを引っぺがすという強引な作業でしたが、やればできるもんです。
こうなるとイスラエル迷彩の攻撃機ではなく、制空迷彩のF-15A/Cが並べたくなりますね。今年中にはなんとかしよう。

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E-2C Day7th

静岡県浜松市では、内袋にでもレジ袋をゴミ出しに使っちゃダメになるとか。こういう行き過ぎな分別は、まったくの机上の空論だと思う。我が静岡市まで、派生しなければよいが。
そんなこととは関係なく、E-2Cはデカール貼りまで。
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Hannantsから取り寄せたSky'sDecalを使って、イスラエル国防軍の192Sqn仕様にします。ただ、デカールの質が悪くパリパリと割れてしまうため、面積の多い部分はキットのデカールを使っています。おかげで予想外に時間を食ってしまいました。
デカールの乾燥を待ってトップコートを吹いて完成とします。


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書評<クライフ公認 「トータル」フットボーラーの全貌 >

サッカー界のカリスマといえば、その代表となるのがヨハン・クライフであることに異論は少ないと思う。選手時代はその卓越したテクニックと戦術眼で”トータル・フットボール”を生み出した一人であり、監督としてもバルセロナでいくつものタイトルを獲得している。今もオランダのサッカー界あるいはバルセロナで影に日向に大きな影響力を持っている。本書は彼の周囲の人間あるいは本人のインタビューを通して、プライベートを含めたクライフがどんな人物かを浮き彫りにしている。

自分が所属していた瀬戸内の小さな島の中学校のサッカー部でさえ、ナンバー14のユニフォームは常に中盤のエースがつける番号であった(決してナンバー10ではない)。それほどクライフの影響力は絶大だ。サッカーの面だけではなく、人としてのその個性は、多くのエピソードを生み出している。本書は本人公認でありながら、クライフのマイナス面も含めて紹介されている。
印象的なのは、そこかしこで見られる”騙し(フェイク)”が彼の人生の折々で見られること。”クライフ・ターン”とは、ただのフェイント・テクニックではなく、彼そのものを表しているのだと感じる。

初版2009/12 東邦出版/ソフトカバー

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書評<無人機とロボット兵器>


グローバルホークやプレデターの例をあげるまでもなく、すでに相当数の無人機がイラクやアフガンの戦場に投入されている。偵察・観測など、従来から無人機を投入している分野に加えて攻撃任務にも用いられており、今後はさらに多くの無人兵器が開発・投入されるだろう。本書はアメリカ海軍や海自で運用された無人ヘリ、DASHの失敗に始まる1960年代以後に開発された無人機について解説、将来の戦場を予測していく。

強固な核武装論者であったはずの著者が、無人兵器積極導入論者に宗旨替えしたらしい。本書は事実あるいは業界内のウワサを交えて無人兵器を紹介している。特に目新しい情報はないが、そこかしこに見られる中国への警戒感は著者らしい。隣国の脅威に対し、自衛隊あるいは海上保安庁への無人機導入がいかに有効かを主張している。
本書のもう一つの特徴は「ディーゼルエンジンへの異常な愛情」だ。無人機のエンジンとして航空機用あるいは車両用ディーゼルの搭載が提案されているのだが、その記述が長いこと長いこと。ヨーロッパはじめとしてディーゼルエンジンが見直されているのは分かるが、本筋とはまったく関係ないと思うのだが。

初版2009/12 並木書房/ソフトカバー

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E-2C Day6th

コクピットのアンチグレアを塗り忘れて組んでしまい、放置状態だったハセガワ1/72E-2C。思い切ってパーツを剥ぎ取り、塗り直すことにしました。
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力技で剥ぎ取っているため、もちろんクリアパーツは再利用できず、メーカー取り寄せにてパーツを補充。
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しっかりとマスキングしてアンチグレアをエアブラシにて塗装。
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裏面を塗装したパーツを接着。溶きパテで隙間を埋めてサンディング。そして機体色のクレオスC307を吹いてます。
アップには耐えられませんが、やや離れて鑑賞すれば大丈夫な程度には回復。ここで妥協して、スミ入れ、フィルタリングしていきます。

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書評<まんが パレスチナ問題>

とかく、日本人にはパレスチナ問題は分かりにくい。なにせ紀元前、ユダヤ教の成立時まで時を遡らなければならないし、いっけん宗教対立にみえるパレスチナ問題が、結局は土地を巡る問題だったり、事情が錯綜するからだ。本書は、その何千年にも渡るユダヤの歴史の入門書に最適だ。マンガとはいってもいわゆるコマ割りしてあるものではなく、挿絵のように差し込まれており、風刺画みたいなものだ。

本書を読むと、つくづくもユダヤ教を巡る問題は難しいと思う。個人的には、西欧諸国の二枚舌あるいは三枚舌ともいえる外交手法が、現在の不安定な状況を生み出したと考えるが、そもそもユダ教徒に選民意識があり、歴史のおりおりの機会に同化を拒んできたことにも原因があるのではないかとも感じる。本書の趣旨としてはキリスト教もユダヤ教もイスラム教も神は同じであり、当事者それぞれのエゴを抑えれば対立の解消もありえるとしている。が、それもあくまで部外者の見方であろう。

初版2005/01 講談社/講談社新書

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