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書評<世界の傑作機 F-104スターファイター>

世界の傑作機vol.103 F-104スターファイター
航空ファン別冊
F-104は1950年代に開発されたいわゆる”センチュリー・シリーズ”と呼ばれる戦闘機の中でも異色の存在である。ターボジェットの急速な発達が音速の2倍を超える速度をもたらしたものの、航空機として形態は試行錯誤の時代。コンパクト化が充分に進んでいない核兵器の搭載を要求され、またFCSに代表されるコンピューターの類も現在からすれば”巨大”のレベルにあり、機体が大型化する傾向の中で、F-104は鉛筆のような細い胴体に極めて薄い主翼を持つ軽量小型戦闘機であった。小型であるがためにアメリカ空軍の要求にはそぐわず、本家では短期使用で終わったものの、NATO各国空軍や航空自衛隊では優秀な攻撃機、または戦闘機として長く現役にあった。アメリカで冷遇された戦闘機が同盟国で多く採用されたのはたぶんに政治的理由もあっただろうが、F-104が長く現役に就いていたのは優秀な戦闘機であった証拠となろう。
本書ではあえて航空自衛隊のF-104J/DJについては記載せず、世界各国で活躍したF-104の生涯を忠実に記録している。多くの写真や図面はモデル製作の参考になるし、航空自衛隊のF-104Jとはまったく違う核攻撃機という任務を負ったドイツのF-104の過酷な試練に関する記述は興味深い。
「最後の有人戦闘機」などといわれたF-104だが、もちろんそうはならず、21世紀にいたるも戦闘機に生産は続いている。後のF-4ファントムなどとは違い、純粋に航空機として美しい機体であった、そう断言できる傑作機であることを感じさせてくれる1冊である。

初版2004/01  文林堂/ムック

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