書評<アヴァロン 灰色の貴婦人>
アヴァロン 灰色の貴婦人
押井 守
押井守監督の同名映画作品のアナザーストーリー。3月公開の新作<イノセンス>公開に合わせ、再び書店に並んでいる。
ゆるやかな管理社会と化した近未来。若者はアヴァロンと呼ばれるヴァーチャル・シュミレーションゲームに熱中していた。アヴァロンは少人数のパーティーを形成して仮想空間の戦場ににダイブし、小火器を中心とした戦闘を行う。特定のパーティーに属さない”傭兵”である主人公<俺>がアヴァロンを舞台として幾つかのチームと人物との絡みを通して、アヴァロンの大きな謎にせまっていく、というストーリー。
物語の舞台設定からしてガンマニアの都合のいいように設定されており、完全にそのスジの人向けの小説である。使用火器で呼び合う登場人物、小火器や戦術への執拗なまでのコダワリなど、押井守節が炸裂している。30-06U.S.ミリタリーカートと、7.62mmNATO弾の区別がつく人は読んでみてください。
初版2003/03 メディアファクトリー/文庫
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