« 宇多田ヒカルの新曲はキャシャーンの主題歌 | Main | 海自新補給艦<ましゅう>就役 »

2004.03.16

書評<イノセンス>

イノセンス
山田 正紀
先ごろ公開された押井監督作品<イノセンス>のノベライズ版。単純なノベライズではなく他の作品で実績のある作家によって、<攻殻機動隊>の世界観を背景にして書かれた、また別の物語である。
本編の登場人物は、ほぼバトー1人といって差し支えない。ネットの世界に消えた相棒・素子に未練を残し、愛するのは犬のバセットハウンド1匹という孤独な生活を送るバトー。それでも、頽廃した都市で矜持を保ち続ける男の姿を描く、いわばハードボイルド小説である。本編で起こる事件は士郎正宗的な複雑さ・押井守的な理屈はない。が、それゆえにバトーの孤独な心を描くことに成功している。時系列的には<イノセンス>の前日譚ということになっているがストーリーにはつながりはない。バトーの魂(ゴーストもしくはソウル)が読み取り、<イノセンス>に繋げるのが理想的な読み方だと思う。

初版2004/03  徳間書店/単行本

追記;TJムック「イノセンス&攻殻機動隊コンプリート・ブック」、巻末の名句引用集だけ欲しい。ネットのどこかに転がってないかなあ。

« 宇多田ヒカルの新曲はキャシャーンの主題歌 | Main | 海自新補給艦<ましゅう>就役 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 書評<イノセンス>:

« 宇多田ヒカルの新曲はキャシャーンの主題歌 | Main | 海自新補給艦<ましゅう>就役 »

My Photo
August 2022
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

Twitter


無料ブログはココログ