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2004.04.11

書評<最新!自衛隊「戦略」白書>

最新!自衛隊「戦略」白書
別冊宝島Real
冷戦終了後、北朝鮮などの”現実の脅威”の出現により急速に変貌しつつある自衛隊のレポート。今回は書評というよりも、本書と同じキーワードを使って自衛隊のトランスフォーメーションについて極私的な意見を少し述べてみる。
①ミサイル防衛
高マッハで大気圏外から突入してくる弾道ミサイルの迎撃は現時点で技術的に不可能。アメリカはロシアとのABM(対弾道ミサイル)禁止条約を破棄し、とんでもない額の予算をつぎ込んで弾道ミサイル防衛システムの研究・開発に取り組んでいるが、何回か行われたテストの結果は思わしくない。ならいっそトマホークあるいは航空機による基地破壊を目指した方が・・・とも思われるが、移動式のランチャーはアメリカ軍の偵察能力を持ってしても捉えがたく、固定式ランチャーはサイロ格納などで核弾頭が必要なほどの硬目標となり、ほとんど対処不可能。ここはアメリカと一緒に開発のリスクを背負うより、イージス艦の改修や追加取得でお茶を濁し、推移を見守るべきだと思うが・・・。
②戦車の必要性
狭い国土に戦車が必要かどうかは自衛隊発足以来?の議論。北海道にソ連軍が着上陸・・・なんて脅威がなくなった今現在はなおさら。ただ、今後の脅威の中心であろうゲリラ・コマンドに対しては戦車の装甲はほぼ無敵であり、拠点防御に最適であることもまた確か。日本国産の戦車は元より防御用の移動砲台的な使われ方を想定しており(射撃の優秀性、長距離移動よりはダッシュにこだわったエンジン・駆動系など)、ある程度の保有は必要であると思う。削減はやむ無しとしても、部隊展開に必要なトランスポーターなど戦車の移動手段は確保しなければならない。
③16DDHは空母か否か
<はるな級>の後継艦である16DDH(ヘリ搭載護衛艦)は全通甲板を持つヘリ空母となる。全通甲板ゆえ、様々な憶測を呼ぶが、大きな指揮能力を持つ以外は「ヘリがいっぱい積める護衛艦」である。現在アメリカで開発中の垂直離着陸攻撃機・F-35を空自が購入してそれを・・・という妄想は不可能。ジェット機を搭載し、整備しつつ運用するのはとてつもなく難しい。16DDHの任務は対潜警戒をしつつ、輸送艦を援護、その活動を助ける、という感じだろうと思われる。例えば、中国に占拠された魚釣島(尖閣諸島)を奪回するとか・・・。
④空中給油機の用法
遡れば30有余年になろうかという空中給油機の導入問題も、06年の機材到着で決着がつく。だが日本のように航空機を使えば分単位で移動できる場所での空中給油機の運用は意外とむずかしい。が、航空機の運用に柔軟性が出るのは確かだと思う。現状から察するに空中給油が一番必要なのはF-15など戦闘機ではなく、C-130Hなど輸送機のような気もするが。
⑤情報収集
SIGINT・COMINTと呼ばれる電子情報収集や偵察衛星による映像情報収集はその解析がキモであり、そのためには継続が必要である。また必要な情報収集のためには、相手領土への接近など、挑発行為もある程度必要だ。偵察衛星の打ち上げ失敗にしても、失敗を嘆くより宇宙開発に対する膨大な予算の必要性がどこまで理解してもらえるかが重要である。この問題の場合、政治に起因するものの方が多い。何をどこまで許容するのか。ガイドラインを定めなければいけない問題がここにもある。

なんか妄想をつらつらと書いてしまった。やっぱり自衛隊が、ミリオタの妄想の一番のネタということで。

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