不定期連載 ミリタリーマニアの長き道のり⑥in1987
<トップガン公開時のチラシ>
<トップガン公開>
1980年代後半、スケールモデル業界は苦境に立たされていた。ガンプラブームにより、プラモデルの中での主流の地位を失い、さらにファミコンの爆発的な普及により、プラモデル自体が少年の遊び道具のメインストリームから外れてしまう。大小の玩具メーカーが倒産の憂き目にあっていた。
しかし、そこに起死回生のキッカケとなる映画が公開される。1986年に公開された「トップガン」である。「トップガン」はアメリカ海軍の戦技学校であるNFWS(海軍戦闘機兵器学校、通称”トップガン”)を舞台にして、トム・クルーズ演じる腕はいいがハネッ返りのパイロットの成長を描いた作品である。この作品はまた、当時ハリウッドで全盛だったMTV風に軽快なポップスを織り交ぜて構成されており、サントラも大ヒット。まるでダンスのようなドッグ・ファイトは見る者を魅了した。
この作品はまずアメリカで大ヒット、海軍入隊希望者が急増、日本でも一大ムーブメントを巻き起こした。それまで軍装マニア御用達だったドッグ・タッグ、MA-1ジャンパーが誰もが着用するアイテムとなったのはその一例である。
そしてプラモデルの分野でもエアクラフトモデルが一気に過熱。準主役であるF-14トムキャットを、ハセガワは1/72の従来品から新金型の全面スジ彫りモデルにリニューアル。フジミは1/72でF-14新規モデルを発売。アグレッサーのA-4F、F-5Eなども相次いでリリースされた。
特にホビージャパン誌では”AIR COMBAT!”なる連載において毎月、特撮を用いたグラビアを中心にエアクラフトモデルをフィーチャー、別冊の発売にまでいたった。第二次世界大戦から中東戦争までプラモデルと特撮で再現、また近未来戦闘機(AdvancedTacticalFighter,現在のF-22ラプターです)をフルスクラッチする。まさにエアクラフトモデルの頂点といっても過言ではなかった。
しかしブームは去っていくからブームというもの。熱はしだいに冷めていき、ホビージャパン誌上でもエアクラフトモデルの扱いは小さなものだ。
映画の舞台となった”ファイタータウン”ミラマー基地は整理統合により海兵隊の基地となり、NFWSも爆撃部門も含めた戦技学校に統合改組されている。あの頃より世界はちょっとだけ、平和になっているのかも知れない。
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