EU25カ国体制に拡大
欧州連合(EU)は1日、中・東欧やバルト三国など計10カ国が新加盟し、25カ国体制に拡大した。
1952年、EUの前進である欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)が6カ国で発足した。それが他分野の共同体を統合するなどして拡大、経済的な共同体としてECが発足。そして1993年に政治的権限を拡大したEUとして統合。今回は初の旧社会主義国の加盟となり、総人口4億5000万人・域内総生産(GDP)は約9兆500億ドル(約982兆円)と米国と並ぶ一大政治・経済圏となる。
駐日欧州委員会代表部のサイトを見ると、世界にとっても日本にとってもメリットになるとしか書いていないが、問題はもちろんある。
初期の加盟国は経済的格差も少なく、通貨統合においても問題は少なかったが、今回の加盟国との経済格差は大きい。現在でもドイツの企業などは人件費の安い東欧への進出が盛んに行われており、産業の空洞化と失業率の拡大が懸念されている。
安全保障面では、東欧諸国というロシアとの緩衝地帯が良くも悪くもなくなる。EUの拡大を警戒しているのはむしろロシアの方だが。それとともに、アメリカとの関係も大きく変わってくるだろう。25ヶ国全部の軍を足してもアメリカには絶対かなわないが、「西側」という概念は崩れていくかも知れない。その中で日本の立ち振る舞いも変化を迫られる。
個人的なことだが、大学のゼミのテーマがECで、オレは通貨統合が失敗するほうに賭けていた。フランスのエゴが欧州中に通じるはずがない、と思っていたからだ。オレの負けです、先生。
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