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2004.05.03

日本核武装論

憲法記念日なので、我がサイトも憲法談義などを。9条改正をすっ飛ばして(論議の余地がないくらい改正必須だと思うので)日本核武装について妄想を述べてみる。
防衛力とは隣国の政治体制ではなく、軍事力を考慮して整備すべきであり、そして核に対する抑止力は核にしかない、と考えるなら、日本の核武装は論理的に無理はない。特に中国は2008年のオリンピック以降、対外的にどんな手に打って出るか分からない。
また、アメリカへの安全保障・経済面での依存を少なくし、国際社会で発言力を持つためには、”アメリカの核の傘”から出る必要があるだろう。そのためにも自前の核が必要である。
技術的に見ると、日本は世界に稀に見る原子力大国であり、ウランもプロトニウムもある。核弾頭の開発自体にはさほど困難はないと思われる。
しかし、問題はその核弾頭の投射と秘匿である。核兵器は戦争になれば最優先目標になるため、平時から秘匿と防衛が必要だ。日本の国土は狭く、ICBM(大陸間弾道ミサイル)のサイロに使える土地など、北海道以外にはないし、見つけるのも容易だろう。航空機搭載の核兵器は、現在の発達した対空防御網に対して、攻撃機自体の敵地への侵入能力が限定される。最後に残るのはSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)だが、これが一番サバイバリティも高く、海洋国家である日本に最適な選択になるだろう。だが、大型のSLBMを搭載するには原子力潜水艦をプラットフォームに選択する以外になく、また移動体からの長距離投射になるため、慣性航法技術とロケット誘導技術もより高度になる。日本には原子炉も潜水艦もロケットもミサイル誘導技術もあるので、基礎技術に困難はないかも知れないが、それを統合し、運用するには多大な費用がかかる。現在開発中のMD(弾道ミサイル防衛)も多大な費用の割に効果が出るのか不安視されているが、核保有にしても、それ以上の費用と困難が予想される。
外交的には”キレイ事が言えなくなる”という面が大きいかも知れない。日本は唯一の被爆国であり、また「専守防衛」を国策としていて、良くも悪くも国際紛争時に注目される国ではなかった。それが核を持てば、それなりの発言力を持つ代わりに、それなりの役割を求められるだろう。日本の外交が一番苦手としている”虚々実々”の駆け引きを強いられることにもなる。
このように両面検討すると、特に冷戦終了後の環境では、核武装は費用の割に実はメリットは少ないのではないかと個人的には考える。イギリスやフランスが核兵器を維持しているのに、EUやNATOで相互依存を強めていく傾向にあることを思い出してみる必要がある。安全保障の焦点がアンチ・テロリズムや民族紛争に移っている現在では、ますます核を持つメリットは薄くなっているのではないか。
ただ通常兵器に関しては、現在の装備体系の見直しは必須。何らかのスマート兵器による精密攻撃能力と、巡航ミサイルによる先制攻撃能力があれば、充分に抑止力になるであろう。高いライセンス生産品と国産品を使っていることに批判がある自衛隊だが、ミサイルだけは国産でそこそこ安く生産し、高性能なものを揃えている(問題は数だが)。トマホークはアメリカのGPSと衛星偵察写真に依存していて、いざというときに役に立たない可能性もあるので、ここは是非国産で、巡航ミサイルの開発に密かにトライしてもらいたい。

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