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2004.05.11

書評<マネー・ボール>

<マネー・ボール>  MONEY BALL
マイケル・ルイス  Michael Lawis
メジャーリーグの球団・アスレチックスは、リーグの中でも選手の年棒が低い方のチームであるが、近年は良好な成績を残している。本書はアスレチックスのゼネラル・マネージャーであるビリー・ビーンがいかにしてチーム改革を実行し、もっと予算のあるチームに勝ってきたかを分析している。
ビリー・ビーンはベースボールというスポーツを緻密に分析し、固定概念を覆す価値観を新たに構築し、実行することで成功を収めた。打点・打率・防御率など、良く知られているデータではなく、出塁率など一見、地味なデータをつぶさに分析することで、それまであまり評価されていなかった選手を発掘し、厳しい予算の中で勝てるチームを作り上げた。そのビリー・ビーンの手法の源流を探り、その手法がどんな風に発展していったか。ドラフト会議、トレード、現場でどのようなことが行われてきたかを紹介している。
また、データ分析といったカタい話だけではなく、アスレチックスに拾われた落ちこぼれ選手たちの物語を交えることで、弱者が強者を倒す痛快な物語にもなっている。
人間はどうしても自らの経験に基づいて物事を判断し、主観を通して物事を見る。経験にたよるのではなく、仮説を立て、膨大なデータを分析することでそれを証明すること。ここまでは既に準備されていた。それを信じ、行動できる力があったからこそ、ビリー・ビーンは成功をおさめた。分析力と行動力。その両者を兼ね備えなければ、改革は実行できないことが本書には記されている。

初版2004/03   ランダムハウス講談社/ハードカバー

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