不定期連載 ミリタリーマニアの長き道のり⑨in1992
<イタレリ社のX-35 JSF。それにしても、素早いモデル化だ・・・。>
輸入モデルを製作するということ
日本が世界に誇れるものはたくさんあるが、プラスチックモデルもその一つだ。インジェクションキットの元となる金型製作技術からはじまり、プラスチックの質にいたるまで、精密工業製品ともいえるプラモデルで国産品で名の知れたメーカー製であるなら、まずとんでもないものに出会う可能性はないといっていい。
もちろん、自分もハセガワをはじめとした国産モデルを中心に模型生活をおくってきたが、どうしても輸入モデルを買うときがある。理由はたいていの人と同じ、あの飛行機のモデルがどうしても欲しい、作りたいとなったとき、輸入モデルまでカテゴリーを広げれば、必ずそれが存在するからである。特に現用機であればモノグラム、イタレリのメジャーメーカーあたりまで触手を広げれば必ず見つけることができる。
しかし、作り慣れたハセガワやフジミのモデルとはやはり勝手が違う。前項の”湾岸戦争シリーズ”をラインナップするときに購入したイタレリ1/72AV-8BハリアーⅡを例にとる。軟らかいプラスチックを使用しているせいか、ヒケやソリがどうしても出てくる。また、多少とはいえ、梨地の表面は塗装前の入念な下地処理を必要とする。国産モデルならパーツの合わせ目にパテいらずのことも多いのが(細い隙間はは自分の場合、瞬着で埋めます)、このモデルの場合、どうしてもパテが必要だった。デカールの品質も決して褒められたものではない。カルトグラフなど、デカールメーカーの存在は何もバリエーションの多彩さだけではなく、キット付属のものが使い物になるかどうかが、そもそもあるのかも知れない。
欠点をつらつらと並べたが、何よりも”キット化してくれる”意義に勝るものはない。航空機のフルスクラッチは難しいもの。少々修正する必要があっても、自分の欲しいものが手に入る喜びには変えられない。逆にいえば、前に上げた欠点が、自分の模型スキルを上げてくれるのである。
タミヤのニューキットぐらいになると、世界中のモデラーから注目され、ネットでは情報が錯綜したりする。それでも日本のプラモデルが他国のそれを駆逐してしまうことはないだろうし、自分も時折、輸入モデルを作るであろう。そうした魅力が、海外メーカーのモデルには存在するのである。
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