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2004.08.18

書評<カラシニコフ>

カラシニコフ
松本 仁一
世界情勢をそれなりに追いかけていると、アフリカ大陸諸国は常に動乱の地のように感じる。その諸国を取材した著者には常にAK-47、多くの地でカラシニコフと呼ばれるアサルト・ライフルが付きまとった。本書はそのカラシニコフを軸に、今だ暗黒大陸と言ってさしつかえない現状をレポートしている。
初出が朝日新聞連載ということで色めがねで見てしまいそうだが、決して単なる武器廃絶・軍縮論ではない。筆者は武器そのものの存在は否定しない。まずAK-47を設計したカラシニコフその人にも取材、さらにAK-47のライフルとしてのタフさを分かりやすく解説する。
さらに例題にフォーサイスの著作を上げ、タフなライフルだけで国家が転覆しえることを説明する。
そしてもちろん、冷戦の名のもとに制限のない武器輸出を繰り返した旧共産圏の国々や、当時の宗主国の都合で国境線を引かれ、国家としての団結力を持ちえなかった独立の経緯を批判することは忘れていない。
その上で、アフリカ諸国の権力者たちの所業がいかに愚かなものであったか、その歴史を平易に説明してくれる。アフリカの歴史は国家権力を巡る争いではなく、自己利益そのものを追求する愚か者たちの争いに過ぎない。
兵士の酷使に耐える優秀さゆえ、歴史が前に進まない。銃器の持つ矛盾こそが、本書の主題であろう。
初版2004/07  朝日新聞社/単行本

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