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2004.09.02

A.J.クィネル<燃える男>映画化される。

A.J.クィネルの名作<燃える男>が映画化され、<マイ・ボディーガード>として10月下旬に公開される。
A.J.クィネルといえば”情念の作家”。<燃える男>はアフリカを転戦し、自殺を選んでしまいそうなほど疲れた男、クリーシィが主人公。彼の身を案じた無二の親友の紹介により、イタリアの金持ちの娘ピタのボディガードとなる。彼はピタのおかげで徐々に立ち直り、人間として立ち直りつつあった。だがピタはマフィアに誘拐され、無残に殺害されてしまう。クリーシィーも重傷を負うが、リハビリを続けながらピタの復讐を誓う・・・。
純真な少女と心を通わせることにより、立ち直っていく主人公を緻密に描写し、さらに細部まで書き込まれた脇役たちの目を通すことにより、クリーシィーとピタの魅力を際立たせていく。脇役たちも個性的。彼らを主人公にしてさらに小説が書けそうなくらいである。個人的に、最も好きな作品の一つだ。
ニュースを見つけたときには心躍ったが・・・公式HPを見ればわかるとおり、物語の枠組みが採用されているだけである。舞台はアメリカ、主人公はハリウッド流に黒人。アフリカの悲惨な戦場を戦い抜いたからこそのクリーシィーであり、脇役たちも舞台がイタリアと地中海の島々が舞台だったからこそ、個性的であったはずだ。やはり、ハリウッド映画に期待しちゃダメだなあ。<サンダーバード>でも散々な目にあったので、劇場公開はパスしよう。

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