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書評<亡国のイージス>

亡国のイージス
福井 晴敏
随分前の作品となるが、映画化が近いことと、BOOKOFFで文庫フェアをやっていたので読んでみる。
ストーリーに関しては初版発行が1999年ということもあり、TMDの説明にやや難があるが、ミリオタが揚げ足を取るような矛盾もなく、計算された伏線にも破綻はなく、一級のエンターテーメントに仕上がっている。”平和ボケの日本人”に対するメッセージも、古さを感じさせない。
自分が一番感じたのは、彼もまた「トミノの子」であるということ。自衛艦を奪取しての反逆、大量破壊兵器を用いての国家脅迫という”大状況”の根源には肉親の怨念、情念という”個人的状況”がある2重の作品構造は「伝説巨神イデオン」ほか富野カントク作品に多く見られる。こうした情念や思想が、エンターテーメントとしての作品には余計だ、という意見もあると思うが、同じく「トミノの子」である我々にこうした上質な作品を書いてもらいたい。
とりあえず、ノベライズだと思って読んでなかった月に繭 地には果実を読んでみよう。

初版1999/08   講談社/講談社文庫

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