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2004.12.15

書評<月に繭 地には果実>

月に繭 地には果実 上・中・下
福井 晴敏
トミノ御大の監督作品<ターンエーガンダム>と原案を同一とするSF長編。ターンエーガンダムは最初の5話ぐらいまでしか見ていないのだが、お約束のラスボスが登場するあたり、ストーリーはアニメ版とそう大きな違いはないと思われる。
地球が破滅するほどの大戦争の後、わずかな人類は産業革命前の文明レベルを維持して細々と地球で暮らしていた。そこに、大戦争の後、月で高度な文明を維持してきたムーンレイスと呼ばれる人類が”帰還”と称して降下する。お決まりのごとく、わずかなすれ違いから戦闘になる両者。戦争を遺棄して千年単位で時を経たはずなのに、人類は急速に”戦争の感覚”を取り戻し、戦線は急速に拡大、大量破壊兵器の使用にまでエスカレートする・・・。
著者は現在、映画化作品公開が何作も待っている注目の作家であると同時に<BSアニメ夜話>のゲストに招かれるくらいガンダム通らしい。よって、トミノ御大のモチーフである”人の業”をSF作品としてキチンと、クドいくらいに表現する。文学作品というにはオーバーだが、どうしても戦争を捨てきれない人類のエゴイズムを描き切っている。まさにトミノ作品のノベライズに適役だったといえよう。

初版2001/08  幻冬舎文庫/文庫

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Comments

こんばんはー

こんな本が出ていたとは知りませんでした。
早速にもブックオフで探してみますでゴザイマスううう

お久しぶりです。
この本、自分もBOOKOFFで探したんですけど、見つけられなかったんですよね。文庫版の前に<ターンーエーガンダム>として単行本で発売されているので、そちらを探してみてもいいかも知れません。

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