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2005.01.30

アメリカ軍のトランスフォーメーションは正しいのか

今週初めにBSで放映された「国防長官ラムズフェルドの戦争」を録画していていたのだが、やっと見た。内容としてはイラク戦争の前後における、当時の軍幹部たちとラムズフェルド国防長官との対立を、当時の関係者の証言を通してまとめたものである。ラムズフェルドはアフガン・イラク戦争において、大量兵力の投入を主張する当時の軍幹部に対し、ハイテクに支えられた少数兵力の投入にこだわり、自分の主張に合う軍人を幹部に登用した。ベトナム戦争でズタズタになった軍を人員・装備ともに建て直し、湾岸戦争を勝利に導いた将軍たちは軍を去った。その後に両戦争に突入したわけだが、結果としてご存知の通り、当時のアフガン・イラクの政権を倒したものの、混乱はなお続いている。高度なテクノロジーを背景にした軍事力は圧倒的な破壊力を見せたものの、テロや市街戦といってもいいイラクの状態には”面”を制圧できる兵力の投入が必要であり、楽観的なラムズフェルドと彼についた軍幹部たちの戦争プランは、失敗した。
また、大石英司氏のBLOGでは「イラク駐留米軍、装備品不足の理由」というCBSドキュメント(おそらくスカパー放映)の感想がアップされている。どうやらアメリカ軍の装備不足はシャレにならないレベルにきているらしい。そしてイラクでの戦費の増大は止まらず、F-22ラプターの購入機数はさらに削減、DDX(次期駆逐艦)の計画は延期を余儀なくされるなど、アメリカ軍の新装備購入計画はことごとく後退している。
冷戦終結後、アメリカ軍は”RMA(軍事における革命)”、あるいは”トランスフォーメーション”と称して変革を続けてきた。確かに脅威と戦争のカタチは変化しているが、軍事専門誌で喧伝される”未来予想図”は本当に正しいのか。現政権の政策のマズさを差し引いても、再検討が必要なのでは思うのは自分だけだろうか。ラムズフェルドが辞任すればいいと問題では決してない。

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Comments

RMAではそもそも市街戦は想定されてなかったようです。対テロ戦争開始前の研究の成果で、正規戦についての研究ですから。イラク戦争開始直後の快進撃はRMAの本領発揮といったところで、あの時は基本的には、市街地の包囲にとどめて電撃戦を実施しましたよね。効率だけ考えれば、トランスフォーメーションは正解だったのかもしれないけど、量と質のバランスをもう一度考え直したほうがいいと思います。

うーん、「デジタル化したストライカー旅団」とか、いかにも先進的ですが、ビルディングサーチなど市街戦には関係ないわけですもんね。戦闘とその後の占領統治の両方を、ハイテク化した軍隊の少数投入で解決できる、と判断した大統領府がやはり甘かったという結論なんでしょうかね。

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