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2005.02.08

ウクライナでイラン・中国にミサイル密輸疑惑

キエフ発AP通信はこのほど、ウクライナからKh-55空対地ミサイルがイランと中国に不正輸出され、ウクライナ当局が関係者を逮捕したと報じた。
 Kh-55(NATO名AS-15)はいわゆるALCM(空中発射巡航ミサイル)。ミッドコース(中間)が慣性誘導、ターミナル(終末)が地形照合誘導で、200ktの核弾頭も搭載でき、戦略ミサイルの範疇に属する(MissileIndexより)。
ソ連から独立した後のウクライナは知ってる人は知っている”武器輸出ベンチャー”である。ソ連崩壊後、ウクライナに配備されていた核弾頭や黒海艦隊の帰属を巡ってロシアと争い、核弾頭は返却したものの、ほとんどの通常兵器はうやむやのうちにウクライナにとどまっており、売却の対象になっているものもある。また、ソ連時代の有力な兵器工場もあり、T-72を独自に改良したMBT(主戦闘戦車)などを開発している。それらは例えばどこかの国に大量に採用される、ということはないものの、アフリカなどキナくさい地域に流出しているのが現実である。
今回の一件が事実なら、全貌の掴めない武器輸出の一環であろう。kh-55は、地形情報照合など高度な技術が盛り込まれたミサイルであり、プラットフォーム(発射母機)を選ぶ(記事中にあるように、即Su-24で発射できるようなものではない)。よって単体で輸出しても即脅威になるというものでもないだろうが、その技術情報だけでも手に入れることができたら、中国などは喜色満面であることは想像に難くない。
昨年のウクライナの大統領選挙に、アメリカは随分と干渉した。改革前の政権が民主的ではなかったことも確かだが、こういう危なっかしいことを容認していたのも、干渉した理由の一つであろう。

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