フランス、国民投票でEU憲法条約批准を否決
EU(欧州連合)の基本法となる欧州憲法批准の是非を問うフランスの国民投票が29日行われ、批准は大差で否決された。
自分などが欧州の空気を知るとなると、サッカー雑誌のスタジアム・レポートぐらいしかないわけだが、ここのところ人種・民族対立が激しくなっているそうである。ネオナチやウヨクを気取ったフーリガンのことをいっているのではない。社会全体に”融合も限界”とばかり、人種差別が吹き出しているというコラムも多い。ただでさえ移民の流入により失業率が上がったとされるうえ、EUが東欧圏に拡大されたことで、安い労働力を求めて自国の工場が移転するなどして失業率が高まれば、”成熟した社会の市民”といえど、なりふりかまっていられないということだろう。その危機感が拡がったことが今回の投票結果につながっている。
フランスはこれまで、EUの牽引役を演じ、統合を進めてきた。しかしこの結果を受けて、左派からは「まず自国の労働者救済を」とせっつかれ、右派からは「誇りあるフランスが他国と協調などしなくてよい」と主張されればEUそのものの存在意義を問われかねない。そうなれば他の各国も統合に消極的になっていく可能性は大いにある。安全保障面においてもNATOやPFP(平和のためのパートナーシップ)などなど複雑な枠組みのままである。今回の国民投票の結果がヨーロッパ統合の”終わりのはじまり”になるのだろうか。
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仕事を中心に年に10回ぐらいは海外に行くのですが、ヨーロッパとは全く縁がなく、大学の卒業旅行以外に訪問経験がない私です。
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