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2005.05.26

書評<スペースシャトルの落日>

スペースシャトルの落日
松浦 晋也
乗員と貨物を積載して宇宙へ飛び立ち、風を切って帰還してくる宇宙往還機。スペースシャトルはSFを体現した”夢の乗り物”のはずであった。しかし、2度の爆発事故を経て、スペースシャトルは失敗作ではないのか、という評価がチラホラと上がるようになっている。本書はスペースシャトル計画を失敗と断じ、その理由を明かしていく。
ロケットで衛星など重量物を地球軌道上に打ち上げるには莫大な費用がかかるし、その巨大な構造物のほとんどは使い捨てである。その莫大な費用とムダの解決策として計画されたのがスペースシャトルであった。本書はその基本コンセプトからして間違っていることを明かす。また、開発に莫大な費用がかかることから、エンジンも何も新しくしようという、開発費高騰のスパイラルがさらにスペースシャトルをいびつなものにした。
さらに筆者はロケット創成期からのエンジンを使いまわすソ連(あるいはロシア)の宇宙計画を逆に高評価とし、”スペースシャトルの失敗”を際立たせている。そして、人類の宇宙計画を引っ張ってきたNASAのスペースシャトルが世界全体の宇宙計画を狂わせた、としている。
スペースシャトルに憧れ、落胆した元SF少年の一人としては、”スペースシャトル全否定”の本書は衝撃的だった。欲をいえば、費用対効果の具体的な数字が欲しかったところである。

初版2005/05 エクスナレッジ/単行本

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Comments

コレは興味深い本ですね。

シャトルの基本コンセプトである「再利用」が理論的にどう間違っていたかは、この本の内容の要でしょうから敢えてココでは伺いませんが、再利用の最大の理由である「コスト」に関する具体的な記述が無いのってのは、確かに片手落ちという気もしますね。

そういえばドイツが計画していた完全再利用型の往還機「ゼンガー」って今どうなってるんだろう?

>かぽうさん
こんばんは。
>確かに片手落ちという気もしますね。
そうなんです。スペースシャトルが失敗だというなら、スペースシャトルが打ち上げた衛星その他をアトラスやらタイタンで代替してたらどうなっていたか、というシュミレーションでもあれば完璧だったのですが。
ドイツの「ゼンガー」はありませんが、日本の「HOPE」その他の往還機に関する記述もこの本に載ってます。

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