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2005.05.22

<フォークランド紛争~兵器の実験場>

BOOKOFFで見つけた「空戦・フォークランド」を読んでいたら、ちょうどNHK-BSで「フォークランド紛争~兵器の実験場」が放映された。
フォークランド戦争を扱ったドキュメンタリーとしてはBBC製作の「兵士が語るフォークランド紛争」という傑作があり、乱れまくった画像のVHSをDVDに焼き、しつこく保管していた。それに替わるかな?と思ったのだが、ドキュメントの焦点は”フォークランド紛争で登場した新兵器”にあたっていて、ちょっと期待ハズレ。
「空戦・フォークランド」の感想を含めて、フォークランド紛争の空戦・海戦について戦訓などメモ。
空戦について
①V/STOL機として、インビンシブルその他の空母から縦横無尽に活躍したハリアーGR.3とシーハリアーFRS.1。だが、両者の違いは装備や訓練でシロウトが思うよりも大きく、ハリアーGR.3を空母から運用するのは苦労が伴った。
②敵機に後方を占位されたとき、ベクタード・スラスト・ノズルを急激に転換させて急制動と上昇をかけ、相手の後方を占位するVIFFと呼ばれるハリアー独特の機動。しかし、急激に飛行エネルギーを失うため、実際には使われなかった公算が高い。
③ハリアーがダガーやミラージュに対し優位にあったのは、練度や機体そのものの優位よりも、AIM-9Lの性能によるところが多い。
④アルゼンチン空軍・海軍の航空機部隊は高度10m台の超低空飛行で艦隊に攻撃をかけるなど、練度は高かった。通常爆弾の信管の調定がうまくいかずに命中するも不発が多く、これが損害を与えていれば戦場の様相は変わったかも知れない。
⑤爆撃機バルカンと空中給油機ビクターによる、アセンション島からの長距離爆撃はその労力に対して戦果は見合わなかったが、アルゼンチン本土への爆撃を意識させ、ミラージュを本土防衛に徹しさせた点でその効果は大きかった。
海戦について
①SAM搭載艦をレーダーピケット艦として早期警戒にあたったが、見事にアルゼンチン攻撃機に近接を許しまくったイギリス機動部隊。SAMによる撃墜例は意外なほど多かったりするが、それでも現代戦に一番必要なのは早期警戒機。
②<シェフィールド>に命中、撃沈したAM39エグゾセ。シー・スキマー・ミサイルの脅威を世界にアピールしたが、これも弾頭が不発だったがどうかで議論が分かれるが、その被害から不発とする意見が多い。不発だったとすると、エグゾセの命中確率は2/5、完全に機能した確率は1/5。紛争後、実戦をしたとして売れまくったエグゾセだが、この確率を高いとするには個人的に抵抗あり。
③原潜コンカラーがヘネラル・ベルグラーノを撃沈した後、アルゼンチン海軍は港に釘付けになってしまった。潜水艦は防御兵器ではなく攻撃兵器。

戦争ドキュメンタリーを見て不謹慎だが、やはりシーハリアー萌え(はあと)。

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Comments

どうも。

フォークランド紛争というと、ハリアーも捨てがたいのですが、ブラックバーン・バッカニアもいいですね(w
たしかアルゼンチン軍はスキップ・ボミングを英国海軍に向けて行っていたような記憶があります。信管さえまともだったら、早期警戒網の手薄だった英国は手痛い痛手を背負う羽目になっていたかもしれませんね。それだけAWACSのような早期警戒網のあるなしは戦闘における主導権有無にもつながるのでしょうね。

潜水艦は以前、どこかの書籍にも書かれていましたが、その海域に一隻いるかもしれない。という不確実な情報だけで多数の艦船と哨戒機を拘束してしまうのですから、非常に厄介なものです。で、日本は一体全体、PXの配備数とか非常にグレーなままなので、どうしていくのやら。ちょっと大目にPXを作って、AP-1とかしちゃってくれるとそれはそれで燃えるのですが(いやまて

辛苦のフォークランド紛争ですが、どうしても不謹慎なことを考えてしまうのは航空機とか軍事好きのどうしようもない性みたいなものですよね、ええ、もう(w


>BARSERGAさん
こんばんは。
バッカニア、イギリス製の古いプラモデルがヤフオクで法外な高値がつくほど、実は人気だったりします。まあ、ワタシも値段を吊り上げていくバカの一人なわけですが。
それと日本のP-Xですが、ギリギリまで設計を絞り込まず、発展性を残しておいてほしいものです。フネにしてもヒコーキにしても、長い配備期間にずっと同じ任務を負った兵器の方が少ないのですから。

どうしようもない性については・・・やはりこの歳になると、もう直りません(笑)。

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