書評<タイ怪人紀行>
タイ怪人紀行
ベトナム怪人紀行
インド怪人紀行 ゲッツ板谷
先日、ゲッツ板谷の<出禁上等>を紹介したところ、他の著作もおもしろいぜ!という連絡をもらったので、文庫になっている分から読んでみた。その中から、アジアを彷徨い歩いた3部作を紹介。
3部作の中で、常に一緒だったのは、西原理恵子の元ダンナ、フォトジャーナリストの鴨志田氏。彼とのコンビで、バンコクやホーチミンといったメジャーどころから、日本の一般的な観光客は足を踏み入れないマイナーな場所まで、まさに”突撃”していく。テーマは、でたらめでしたたかな各国の人たちに”負けない”こと。だが、怖いものなしに見える著者でさえ、翻弄される。それをあるときはギャグとして消化し、あるときは真剣に現地の状況を捉える。そのバランスが絶妙である。
現地とそこに暮らす人々だけではなく、それぞれの旅の同行者との関係もまた、本書の読みどころであろう。タイ→ベトナム→インドと新しいたびほど、同行者の記述が濃くなる。西原のマンガで見るといつまでもハチャメチャな著者であるが、そのスタンスが変化しつつあることが読み取れる。
西原は”カモちゃん”こと鴨志田氏と離婚してしまったが、またゲッツ・カモちゃん・西原のトリオでの旅行話が読みたいものだ。
初版2002/07~ 角川書店/角川文庫
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