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マンガ評<湾岸ミッドナイト>

新刊発売に合わせて、前から書きたかった「湾岸ミッドナイト」のマンガ評を少々。
「湾岸ミッドナイト」はヤングマガジンに連載中の”走り屋”マンガ。ステージは首都高速。実馬力600psと最高速300km/hを誇る伝説の”悪魔のZ”とよばれるS30Zを中心に物語は進みます。現在は主人公アキオの影は薄く、彼をとりまく”おじさんチューナー”たちが実質的にエピソードの中心です。
こう紹介すると、いかにも”DQNマンガ”ですが、個人的には”過去あるいは現在からの決別の物語”だと思っています。ちょっと長くなりますが、自分が一番好きなエピソード、”平野R32GT-R編”を例に紹介します。

高級外車ショップの整備士である平野は、かつては走り屋であったが、同棲していた彼女の流産をキッカケに足を洗っていた。しかし運命の糸が、”悪魔のZ”に平野をひきよせる。不完全燃焼のままだった平野は独立資金でR32を購入し、Zと対決することを決意するが、当然のごとく妻は彼から離れていく。完成したチューンドGT-Rを駆り、湾岸線でZとそのライバルであるポルシェターボと対決するが、平野は最後の最後でアクセルを踏み切れなかった。彼はそれを最後に東京からも離れ、妻の元に戻る・・・

過去を振り切れず、心のどこかで種火を燃やし続ける男の、”過去との決別のための伝道師”の役割を”悪魔のZ”が演じています。このエピソードに代表されるように、クルマに対してアツいだけに、くすぶっている者たちの、”ネクスト・ステージ”への物語。「湾岸ミッドナイト」はある意味での”人生譚”なのです。

ここ最近のエピソードは過去よりもむしろ”中途半端な現在”からの別離になっています。”重い怪我”や”父の死”などの強烈な過去に比べ、メッセージが薄くなっているような気がします。もう1度、連載初期のようなエピソードが読みたいものです。

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