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書評<公安化するニッポン>

公安化するニッポン
鈴木 邦男
刺激的なタイトル、本のオビには「日本の秘密情報機関はここまできていた」とケレン味たっぷり。4人の元警備公安、公安調査庁の現場経験者のインタビューから、一般人にはあまり知られることのない公安警察の実態がどんなものかを明かしていく。4人の公安に対する立場はかなり異なるので、画一的に公安の”恐ろしさ”を訴える本ではない。
が、タイトルやオビにあるほどのインパクトは正直なかった。確かに共産党関係者からの協力者の取り込み方、公安の”思想教育”などが語られるが、印象に残ったのは今だ反共を中心に掲げるアナクロさ、組織防衛に汲々とする公安警察の”官僚的実態”の方だ。こちらが海外のエスピオナージの読み過ぎなのか、共産党内部へ浸透する”特殊さ”がいまいちピンとこないのだ。それに比べて経済的豊かさをバックに衰退する共産主義を是とする団体と、それをメインターゲットとしていたために共に予算・人員とも減少しつつある公安警察の姿は、タイトルと逆に後退しているとすら思える。
共産主義のような”偉大な”思想はとりあえず後退し、社会を構成する個人は細分化する。日本最大のカルトは連立与党を組み、警察はプレッシャーをかけづらい。公安にとっては、やりづらい世の中だろう。そんな中で今、公安がどんな状態なのか、どこへ向かうべきなのか、考えるきっかけになる本ではあると思う。

初版2005/08 WAVE出版/単行本

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