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2006.03.29

書評<9条どうでしょう>

9条どうでしょう
内田 樹/小田嶋隆/平川克美/町山智浩
4人の”業界で干され気味”の作家たちによる、憲法9条改正と日本に関する小論集。ミリオタ・自衛隊ラヴの改憲派として、それぞれの小論に反論を一言ずつ。的外れだったらゴメンナサイ。

内田 樹”憲法がこのままで何か問題でも”
憲法9条と自衛隊の存在に齟齬があってこそ、今の日本の発展があった。今の”ビョーキ”とも言える状態ゆえ、日本にとっての利得になる、というのが内田氏の趣旨。”専守防衛”なる奇妙なドクトリン?が国防費支出を抑え、経済発展のみに集中できたことは一理ある。でもね、憲法は理念だけど、自衛隊は生身の人間の組織なのよ。そんな矛盾を抱えたままでいいわけはない、と思う。

町山智浩”改憲したら僕と一緒に兵隊になろう”
この人、ブログや映画評論を読んで、バリバリのリベラルだと思ってたんだけど、意外にミリタリズムに理解がある。問題は改憲の本質を「日本人の誇りを取り戻す>有事に迅速に対処するため」と捉えている点。中曽根のような老人はともかく、若い人でこの不等記号が成り立つ人が多数派とは思えない。

小田嶋隆”三十六計、九条に如かず”
4人の中では一番皮肉が利いている文章で、まとめがし難い(笑)。孫引きになるが、H.G.ウェルズは著者で日本の近現代史を「夢幻的な戯画のような」と表現したそうだ。小田嶋氏は、この奇妙な国と法律のままで何が悪い、と言いたいんだと思う。おおむねは同意。小田嶋氏の極私的提案はともかく(本書を参照)、自衛隊に関して”神学論争”が起きないような方向で9条2項のみ変えることはできないものなんだろうか。

平川克美”普通の国の寂しい夢”
改憲論者は”理想”ではなく”現実”に合わせて憲法改正を行わなければならない、と主張する。だがその”理想”とはありえたかも知れない”現実”であり、そこに折り合いをつけることこそが”現実的な態度”である、というのが平川氏の主張の趣旨。その他にも”TVモニターの向こうの現実”とか、某アニメ監督の好きそうなレトリック。ただ、隣国が同じ”非武装”とか”平和”とか理想を掲げて葛藤しているならともかく、そうじゃなさそうなのが問題だと思う。”備える”ことはいけないことなんでしょうか。

以上、しごく簡単にまとめてみたが、確かに改憲と護憲の原理主義では語れない論理が、確かに本書にはある。でも向かっている方向は概ね同じ。そのことだけは書いておきます。

初版2006/03 毎日新聞社/単行本

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