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2006.03.20

書評<隠密部隊ファントム・フォース>

隠密部隊ファントム・フォース 上・下  Phantom Force
J.H.コッブ  Jamos.H.Cobb
アメリカ海軍の女性士官、アマンダが活躍するシリーズ。前回、海軍の特殊部隊を率いて戦ったアマンダだが、本作では一歩進んで民間船に偽装した最新の輸送艦に乗り込む”ファントム・フォース”を率いる。これは本文中にもあるように、その昔Qシップとして実戦への投入例があったそうである。
物語の舞台は前作に引き続き、政情不安定に陥っているインドネシアを中心とする東南アジアの島嶼地域。これまた前作で敵役だったハーコナンが再び地域を混乱に陥れようと画策する。そしてさらにその状況を利用して権力を拡大しようとする勢力が現れ、この混乱を抑えるためにアマンダのアイデアで生まれた部隊が投入される。

ハイテクとアマンダを中心とする恋愛ドラマが並行する本シリーズだが、今回はハイテクはコンパウンド・ヘリと呼ばれる固定翼と回転翼のハイブリッドヘリぐらい。ドラマ部分に比重が大きくおかれている。恋愛ドラマだけではなく、政治的駆け引きも詳述されるが、クランシーほど濃くもなくアッサリと読み進める。もちろん戦闘シーンも手抜きはない。
著者は軍事史に裏付けされた海事作戦をうまく現代戦のプロットに載せているので、物語としての”ワクワク感”を失わず、なおかつ荒唐無稽なシュミレーションになっていないところに好感が持てる。次回作あたりでニューキャラに期待。

初版2006/03 文藝春秋/文春文庫

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