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書評<月の記憶 アポロ宇宙飛行士たちの「その後」>

月の記憶 上・下   MOONDUST
アンドリュー・スミス  Andrew Smith
アポロにて月に降り立った12人の男たち。彼らは月からの帰還後、それぞれに言動や態度が変化する。科学の申し子であったはずの彼らの中に、芸術家や超常現象研究の主催者が現れる。地球軌道から外れ、月に向かうことにより、彼らの内面に起こったのか。12人のうち、存命なのは9人にまでなっている。それを知るための残された時間は少ない。作者は彼ら一人一人にインタビューを敢行する。
本書はそのインタビューをまとめたものといってよいが、それだけではない。宇宙飛行士どうしの確執やNASAの体制にも鋭くせまる。さらに”ロケットの父”・フォン・ブラウンの功罪、さらに月への宇宙飛行とはなんだったかを、その当時のアメリカ政府あるいは社会背景を織り込みながら著者が語る。お堅い分析ではなく、著者の主観に大いに拠っているので、世界情勢からポップスまで、アポロの影響を受けたものがいかに多いかが分かる。子供の頃にアポロを経験した著者が、アメリカ各地を回りながらインタビューを繰り返す様は、ロードムービーを見る感覚に見ているようだ。
残念なのは、アポロが政府の捏造だとしてムーンウォーカーたちを侮辱するバカに、日本のマスコミが加担していることだ。人類がなしえた未曾有の冒険に泥を塗ることに、技術立国の人間として恥じ入る感情はないのだろうか。

初版2006/02 ソニーマガジンズ/文庫本

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