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書評<ルート66をゆく>

ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて
松尾理也
シカゴからロスまで、アメリカ中西部を突っ切るルート66は”都会への脱出路”として、数々の映画や音楽に登場する。そしてまた、アメリカのハートランドと呼ばれ、保守派と呼ばれる人たちが多く済む地域を繋ぐロードでもある。著者はルート66沿いの街を訪れ、東海岸あるいは西海岸の大都市からは見えないアメリカの姿を描いている。
アメリカの保守派層が日本でも注目され始めたのはブッシュ大統領が選挙で勝ったあたりからだろうか。メガチャーチと呼ばれる協会に集う、キリスト教福音派の人々。進化論を否定しID(インテリジェント・デザイン)を公立学校で教える地区。ボランティアとして、密入国者取締りに協力する人たち。最先端の国、アメリカのイメージとは違う人々こそ、アメリカのサイレント・マジョリティたちである。これらの人たちがどのような価値観を持って生活しているか、現地の人たちのインタビューを中心に紹介している。だが、知れば知るほどアメリカの”保守”の考え方が分からなくなる、というのが率直な感想。アメリカ建国の理念を信奉する人々の持つ思想は、単純にリベラルに敵対する概念ではない。追求すればキリがないが、本書はその入門書となろう。

初版2006/04 新書/新潮新書

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