書評<天晴れ!筑紫哲也NEWS23>
天晴れ!筑紫哲也NEWS23
中宮 崇
2ちゃんねるの実況板でも長寿を誇る<真夜中のニュースランド>、筑紫哲也NEWS23。親中国・親朝鮮半島、そして反米という姿勢を徹底的に貫き、その姿勢に都合の悪いニュースは華麗にスルー。世論調査の結果を都合よく切り取る。本書はこうしたNEWS23の姿勢を、他の報道番組との比較を中心に分析している。別冊宝島あたりならともかく、新書で発売されるとは、NEWS23がいかに高い関心を維持している番組か分かる。
本書は基本的に、前掲した2ちゃんねるの筑紫ウォッチをまとめたものだと思えばよい。筑紫自らが「便所の落書き」と称した2ちゃんねるに自分の番組を検証されているのである。個人的に筑紫が不幸だと思うのは、テレビはつまらないものの、習慣としてテレビをつけてしまうために、「報道ステーション(または前番組)」「NEWS23」とニュースを連続で見てしまう、ワタシを筆頭とするヒマ人がいることであろう。おかげでNEWS23の番組構成と筑紫の発言の偏向ぶりが目に余ってしまう。
たぶん田原総一朗の雑誌だったと思うが、筑紫が田原の対談の中で「自分の伝えたいことだけを伝えている」みたいなことを言っていた。ようするにNEWSと名乗っているから問題なのであって、プロパガンダだと思えばいいのではないだろうか?日本を敵視する隣国におもねるのが、プロパガンダかどうかはともかくとして。
残念なのは昨今の特定アジアの暴走っぷりに、さすがの筑紫もフォローが行き届かないことだろう。”アンチ地雷キャンペーン”のときのような、「え、中国の超低価格対人地雷は完全スルー!?」というような、ハチャメチャなドライブのかかりっぷりを、もう1度見たいものだ。
初版2006/04 文藝春秋/文春新書
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