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2006.04.29

書評<カルト資本主義>

カルト資本主義
斎藤 貴男
サラリーマンを10年もやってると、経営陣に対して”フシギなこと”がいくつも出てくる。新入社員研修で受けた、”手をかざして朝日を見る”といった意味がよく分からない研修。自分じゃ何もしないのに、会議で大きな顔をしている”経営コンサルタント”の存在。”推薦図書”として回覧されるトンデモ本・・・・。
本書はこうしたフシギさの答えの一部を提供してくれる。カリスマを超え、教祖として崇められる存在になっている京セラの稲盛会長。電子技術産業の雄の1つ、ソニーでの超能力研究。トンデモ本の愛読者は鼻で笑う”永久機関”に一流商社が関わる。労務管理の話が、全体主義と民族主義に繋がる船井幸雄。大企業でさえオカルトと無関係にはいられないのに、中小ならいわずもがな、である。経営者の不安の代償行為がカリスマにすがることであったり、人間の帰属意識を利用した労務管理の行き着く先が全体主義だったりするわけだが、それはもはや”カルト”そのものであることを、経営者も被雇用者も自覚すべきではないか。本書はこう警鐘を鳴らす。
さらに本書では資本主義下のカルトとして、”ほぼネズミ講”のアムウェイ、”ほぼ奴隷農業”のヤマギシが紹介される。滅びることのないネズミ講はともかくとして、ヤマギシに企業から視察があるとはオソロシイ世の中だ。どちらも自分からすればカルトだが、日常でのその距離は近い。
本書は原著が1997年と古い。だが、後輩がアムウェイに変わるネズミ講、ニュースキンにハマって会社を辞めたのは最近のことだ。現状はそう変わっていない。緻密な取材による本書のレポートは色褪せていないと思う。

初版2000/06 文藝春秋/文春文庫

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息子の病を治そうと必死の両親があやしげな宗教団体に取り込まれて行く様などを描いたフレンチコミックです。
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31929097

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