戦争と、兵器と、プラモデルと
憲法記念日なので、今年も酒を飲みながら、ちょっとだけ重い一人語りを。オチなし、ツッコミもカンベンしてください。
この間、ツレとちょっとした論争になりました。ツレ曰く「武器の研究が趣味なんて、いいことじゃない」。ワタシ曰く「安全保障について考えるのは当然のことだ」。ツレ曰く「まやかしだ。あなたは武器を称賛している」。ここでワタシは答えに詰まりました。
ワタシは広島出身で、おそらく全国平均よりも熱心に反戦教育を受けてきたはずです。手帳のうえでのことですが、被爆三世でもあります。なので当然、戦争はキライです。
一方で、兵器の持つカッコよさ(ごまかさずに、こう表記します)を否定することはできません。強い目的のもと開発され、合目的的に研ぎ澄まされているがゆえに、溢れる機能美。それぞれの時代の最先端のメカとして、力強さと繊細さの共存。
ミリオタとして、この矛盾を常にかかえることになります。いい趣味とは言えない。だけど、ニセ軍事評論家が煽る脅威も、プロ市民たちが語る空虚な平和も、どちらも戯言だと感じることができるのは、自分の持っている知識のおかげだと思います。自分の興味の範囲が、自分中心の半径3mではなく、世界情勢まで一応拡がっているのも。まあツレに言わせれば「そのくせ、自分の身近なことは見えていない」わけですが。
モデラーとしてもこの矛盾は常につきまといます。おそらくB-29だけはこの先一生、作ることはないでしょう。
この矛盾に答えはない。だけど自覚的にしていることで、この先におそらく待ち構えている、憲法改正に投じる1票への考えの元にできる。そんなことを感じながら、今日もネットを彷徨い、プラモを作ります。
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こんばんは。
サヨク思想に染まっている自分ですが、軍事や国防には多分関心が高い方だと思います。
自分の場合特に血生臭い銃火器が好きですが、いつも自分が愛でているものはキリングマシーンだと言う事だけは忘れない様にしています。
だから、全米ライフル協会辺りの言う、「武器が悪いのではない、使う人間次第なのだ」という言い訳は好きではありません。それは一番本質を見誤る事だと思ってます。
あくまでキリングマシーンと理解したうえで愛でる事ならば問題無いことだと思いますよ。
Posted by: あんぐら | 2006.05.03 23:46
>あんぐらさん
こんばんはー。
全米ライフル協会の言ってることがスキでないのは激しく同意です。自覚は常にしなければいけませんね。
Posted by: ウイングバック | 2006.05.04 18:37
包丁は生き物(人も含む)の命を奪うことが出来ますが、作られた目的はかぽうサンのお仕事のためです。一方、銃も生き物(人も含む)の命を奪うことが出来ますが、作られた目的はズバリそのためです。全米ライフル協会の言い訳はこの二つをごっちゃにしている点でダウト。
我々モデラーにとって、対象となる兵器は「カッコイイ」んです。だから作るんです。このこと自体は別に悪いことでも後ろめたく思うことでもないと思います。ただ、あんぐらサンの仰るように、それが「何にために作られ、何の役に立つものなのか」ということをきちんと弁えることが大事なのではないでせうか。
戦争のために作られた兵器がこの世の中に存在していることは紛れもない事実です。そしてその存在を批判し、そこから目を背け続ける方がいらっしゃることもまた事実です。でも本当にそれがいいことなのかどうか、ツレの方と一度じっくり話してみるのもいいかも。と差し出がましいことを言ってみたり。気分を悪くされたら申し訳なし。
ちなみにウチのツレは「早く9条を改正して自衛隊を軍隊に汁!」という点でワタシと同意見なのであります。(^◇^;)
Posted by: KWAT | 2006.05.05 01:42
>KWATさん
こんばんは。
ツレも、プロ市民のごとく目を背けてるわけじゃないんですね。ただ、ワタシの行動が目にあまるというか(笑)。さらに「プラモは別」とか言うので、話がややこしくなります(笑)。
Posted by: ウイングバック | 2006.05.05 18:50