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2006.06.14

書評<戦後日本の戦車開発史>

戦後日本の戦車開発史―特車から90式戦車へ
林 磐男
PANZER誌に連載された、三菱重工の装軌車両開発者の回想録。戦後開発された陸自の装軌車両のほとんどに関わってきた著者が、シャーシ開発を中心に戦後からの歩みを語る。
著者の回想は戦後、進駐軍の車両整備に携わることから始まる。システマチックな部品供給体制や先進的なギアやサスペンションに驚愕を受ける日々。その技術を模倣し貪欲に学び、現在まで続く技術の基礎を築く。そして時代は朝鮮戦争特需から自衛隊設立へ、そして装甲車両の自主開発も始まる。エンジン、トランスミッション、シャーシにいたるまで、辛酸を舐めながら開発を続け、90式戦車に至り世界の最先端技術に追いつくことになる。
三菱の装軌車両の開発の歴史が、日本の自動車産業の歴史と重なることは偶然ではないだろう。
その歴史のなかで、著者はいくつかの問題点を指摘する。ユーザーが陸自だけ、予算も限られた中で小松製作所をライバルとした競争試作は無駄ではなかったか。自主開発にこだわるあまり、海外の技術情報に疎く、また自分たちの持つ情報もまた秘匿し、あまりに孤立した中での開発ではなかったか。そして何よりもはっきりとした国防指針がない中で、総花的な開発目標しかないために、実戦においては非現実的な兵器開発がまかり通っていなかったか。74式戦車まで、「満州には水がない」と戦前からのこだわりからエンジンは非主流の空冷ディーゼルであったり、アメリカが2次大戦時に開発したM24で実現していたオートマが、90式戦車でようやく実装されたといった事例はその証左であろう。
サスペンションやトランスミッションといった、金属特性の基礎から研究の必要な分野の技術開発の困難さが理解できる1冊である。

初版2005/11 光人社/光人社NF文庫

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Comments

こんばんはー

プロジェクトXで
61式戦車をやって欲しいと
ずっと思っていたのですが
かなわぬ夢でゴザイマシタ(・ω・)

>しょぼんぬさん
こんばんはー。
「登板試験中にSAが煙を上げて止まった。林は青ざめた。」なんて、プロジェクトXにいかにも出てきそうですね。ホント、開発者には頭が下がります。

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