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2006.08.14

書評<哺乳類天国>

哺乳類天国―恐竜絶滅以後、進化の主役たち  Beasts of Eden
デイヴィッド・R・ウォレス  David Rains Wallace
恐竜絶滅以後、多種多様な進化を遂げた哺乳類たち。著者はアメリカ・イェール大学のピーボディ自然史博物館に掲げられた壁画『哺乳類の時代』をキーとして、哺乳類たちの歴史を紐解いていく。
個人的には、本書は現在の地球が”哺乳類天国”となるまでの物語というよりも、古生物学者はじめこの分野に関わる学者たちの争いの物語であると思う。19世紀末、”化石ハンター”たちが地球上の僻地を巡り、新たな動物、新たな進化の証拠の発見を競う。癖のある学者たちが自説を証明するために冒険を繰り返し、ときにライバルを口汚く罵る。哺乳類の進化の謎と、ダーウィンやラマルクといった教科書上の人物をはじめとして、生物の進化の謎を追い続けた研究者たちの激しい人生が等価に描かれている。単なる哺乳類の進化を紹介した書物というよりは、哺乳類進化の研究自体の歴史書というに相応しい著作である。

初版2006/07 早川書房/ハードカバー

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