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2006.08.16

書評<第六大陸>

第六大陸〈1〉
第六大陸〈2〉
小川 一水
2025年、あいかわらず対立は残しているものの、おおむね平和な方向に向かっている世界。極地での建設作業を得意とする建設会社に、月での恒久施設の建設の依頼が舞い込んできた。日本有数の資産家の少女を軸として、ロケット打ち上げ会社などを巻き込みながらプロジェクトはスタートしていく。費用、技術、法律、国際的対立などの困難を乗り越えて、10年でその施設は完成できるのか・・・。

2006年現在、近い将来に解決、あるいは開発が可能と予測される技術を用いて、月面開発をシュミレートするSF小説である。スクラムジェットで大気圏突破をもくろむ新型ロケット。超伝導技術と高度な自動制御を用いる土木作業機械。
そうした技術的開発もさることながら、宇宙というフロンティアに向かうモチベーションも本書のテーマだ。今、宇宙開発は明らかにその目的を失い、営利が取れる事業以外は壁にぶつかっている。本書は登場人物によって動機は違う。技術者の夢、肉親やライバルへの意地、プライド。どれを選ぶかは、我々読者しだいだ。
本書はただの科学的なシュミレートだけでなく、最後の最後にSF的なエピソードが立ち上がる。とにかく宇宙に出なければ、何も起こらない。著者の“SF魂”が感じられる快作だ。

初版2003/06 早川書房/ハヤカワJA文庫

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