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書評<「左利き」は天才か?>

「左利き」は天才?―利き手をめぐる脳と進化の謎  A Left-Hand Turn Around the World
デイビッド・ウォルマン  David Wolman
ワタクシ、ウイングバックは”箸と鉛筆”だけ矯正された左利きである。なので、プラモ製作現場ではニッパー以外のツールは右、料理をするときは菜箸以外は左と、利き手の混乱ぶりは甚だしい。また、左右の判断が遅れる左利きは自分だけではないようである。さらにウイングバックは血液型がABなので、かならず”変わり者”のレッテルを貼られることになる。
かように、人類の10%ほどをしめる左利きは多数派の右利きに比べて、混乱した日常を送るハメになる。この利き手の違いはどこに由来するのか?本書は左利きの著者が、その謎を解明するために旅するノンフィクションだ。特定の学説を取り入れるのではなく、様々な分野の学者を世界中にたずね、最新の学説を紹介する。正統派の学説だけではなく、手相や筆跡鑑定など、アヤシイ業界にも足を踏み込む(概ね失望するが)。
本書では様々が学説が紹介されるが、胎児期あるいは幼児期に後天的に左利きが獲得されるのではなく、遺伝的にすでに左利きが決定されている説が有利ということぐらいで、まだまだ確定的な話はできないのが実情だ。最近、右脳や左脳の機能の違いといった話題が一般にも出てくるが、左利き1つとっても脳が果たす役割は論争が続いており、左脳が論理的思考をどうこういうようなことを決め付けるのがいかに愚かであるかも分かる。個人的には進化論と同じで、遺伝子発現の”偶然”という説をとりたいが、”適者生存”のことを考えるとなぜ10%という、中途半端な数字が残るのかが謎だ。最新の脳科学や分子生物学も、まだまだ発展途上である。

初版2006/07 日本経済新聞社/ハードカバー

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Comments

こんばんは。
辛くも「矯正」を逃れたクチです(笑)。
諸説の一説なのかもしれませんが、行動学のデズモンド・モリスによれば、統計を取ると人は意外に左右の手を均等に使っていて、左利き右利きといわれるのは字を書くとかの際立つ行為で判断されているに過ぎないというのを(もう20年位前に)読んでなるほどねーと思ったりしました。モリスは後天説を採っていたと思います。
それにしても左利きは早死にするとか女性は乳がんが多いとか最近はとんでもない言われようで、へこむというより次は何を言われるんだろうとわくわくしたりします(笑)。

Posted by: rocketeer | 2006.08.29 at 00:40

>rocketeerさん
こんばんは。
BlogModelersに同志がいてうれしいです(笑)。
この本にも、右と左の”協働”が大切なんであって、どっちも大切だという学者の説が載っています。
世間が右利き用に造られていて、左利きに危険がいっぱいなのは事実らしいので、お互い機をつけましょう。

Posted by: ウイングバック | 2006.08.29 at 19:59

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