書評<運転>
「運転」―アシモからジャンボジェットまで
下野 康史
機動警察パトレイバーの後藤隊長のセリフで「子供の夢は、たいてい運転手」というのがある。言いえて妙で、特にかつて男の子なら陸海空から宇宙まで、様々な乗り物を操ることに憧れたはずだ。
本書はクルマ雑誌「NAVI」に連載され、陸海空様々な乗り物や、胃カメラに至るまでの”操縦方法”をレポートしたものをまとめたものだ。飛行機ならジャンボジェットからグライダーまで、船は超大型タンカーからシーカヤックまでといった風に、そのレポートは幅広い。「ジャンボジェットの飛ばし方」といった安易なマニュアル本ではなく、様々な乗り物、機器を動かす”操縦のプロたち”に話を聞き、同乗あるいはそばで見学した生のレポートなので、操縦方法だけではなく、オペレーターたちのプロ意識や、普段触れることのできない乗り物たちの”素顔”を知ることができる。著者は本職が自動車評論家なので、自動車との比較も多いが、それもまた身近なものとの比較にすることができるヒントになる。「運転手」に憧れた大人たちにオススメの1冊。
初版2006/07 集英社/集英社文庫
« イランが国産初の戦闘機を発表 | Main | DENSO TOYOTA87C Day3rd »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 書評<ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く>(2022.08.28)
- 書評<バルサ・コンプレックス “ドリームチーム”&”FCメッシ”までの栄光と凋落>(2022.05.25)
- 書評<冷蔵と人間の歴史>(2022.05.24)
- 書評<ザ・コーポレーション>(2022.05.23)
- 書評<狩りの思考法>(2022.04.19)
Comments