書評<くさいはうまい>
くさいはうまい
小泉 武夫
我々の食生活は納豆にヨーグルト、チーズなど、我々は様々な発酵食品の恩恵を受けている。人間の役に立てば発酵、立たなければ腐敗ということで、発酵食品には様々な匂いがつきまとい、それゆえ人々に愛され、そして嫌われる。本書は世界のあらゆるところで繰り広げられている発酵食品ワールドを紹介している。著者がモノ好きな学者さんなので、実際に食べ歩いた珍奇な発酵食品への主観的見地と、その匂いや栄養成分の科学的な分析が共存している。
さらに発酵食品だけではなく、”クサイ”つながりで、世界で食される、昆虫や我々が食べない獣などの強烈な匂いの食品を紹介している。つくづくも人間は雑食であるおかげで生き残ってこれたんだなあ、と思う。
とにかく著者の”発酵食品への愛”は深いので、トンデモないものでもなにやら美味しそうに感じてしまうが、実際はそうでもないんだろうなあ。
もやしもん 1―TALES OF AGRICULTURE (1)の著者がどんな人かは知らないが、「くさいはうまい」の著者はその中に登場する教授そのものの印象を受ける。そこらへん、どうなんだろ。
初版2006/07 文藝春秋/文春文庫
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