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2006.09.21

書評<ウソの歴史博物館>

ウソの歴史博物館  THE MUSEUM OF HOAXES
アレックス・バーザ  Alex Boese
Hoaxとは、愉快な、あるいは迷惑な捏造や作り話を信じ込ませ、だましたり惑わせたりすること。本書では、中世以降、世間を惑わせてきたHoax、すなわちウソを集めたもので、人間の歴史とともにHoaxソがどんなに進化してきたかを時系列で見ることができる。
中世ではもちろん、キリスト教会がHoaxの発信源だ。人を教会の権威に従わせるため、様々な蛮行に繋がるHoaxをばら撒いている。
産業革命以降、誤った迷信を信じる大衆を”覚醒”させるため、教会や政府などの権威をコケにする”良心的な”Hoaxを新聞に載せるジャーナリストもいたが、圧倒的に目立つのは株式で大儲けしようとする、いわゆる”風説の流布”だ。これは現在まで続いている。そして、写真、ラジオ、テレビ、インターネットと、新たなメディアが現れると、それを背景にしたHoaxが現れる。
本書の中心はアメリカのHoaxだが、そこには明るい”ジョークの文化”の面と、暗い”陰謀論”が混在するところがアメリカらしい。マスコミの人間がイタズラ心で発信するペテン話と、政府や資本家を悪役に仕立てる陰謀論が紙一重だ。
誰しもが映像を改ざんし、インターネットで配信できる現在、真実をその中から見つけるのは難しい。だからこそ、Hoaxの歴史を重ねることにより、人間がどんなものを信じやすいかを学ぶのも、自分にとっての真実を見極める一助となるだろう。

2006/06 文藝春秋/文春文庫

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