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2006.11.30

書評<ゾウの耳はなぜ大きい?>

ゾウの耳はなぜ大きい?―「代謝エンジン」で読み解く生命の秩序と多様性
クリス・レイヴァース
動物は食物を摂取し、消化し、酸素と一緒に燃焼させて活動のためのエネルギーを得る。著者はこの過程を内燃機関に例え「代謝エンジン」として本書の中心に据える。そして、地球の動物がなぜ今のような世界を形成しているのかを解き明かしていく。
例えば我々哺乳類は温血動物である。それにより、高い瞬発力と持久力を維持している。その代わり、代謝エンジンのアイドリングの回転数を高く設定するため、多量のエネルギーを消費する。対して爬虫類は哺乳類のような持久力がない代わりに、エネルギー消費を低く抑えることができる。どちらが”高等”というのではなく、それぞれの特徴を最大限生かして生活テリトリーを確保し、子孫を残そうとしているのだ。
タイトルの「ゾウの耳はなぜ大きい?」というのは著者の解説の呼び水に過ぎない。エネルギーの生成と、それによって生まれる熱をどう処理するかによって、地球上の動物界の全体像を描き出すことに成功している。なぜ陸上を大型哺乳類が支配していて、淡水は大型爬虫類が支配しているかとか、当たり前すぎて疑問にも思わなかった動物界の秩序を理解できる1冊だ。

初版2002/07 早川書房/ハードカバー

2006.11.29

書評<へんな毒 すごい毒>

へんな毒すごい毒
田中 真知

”毒”と一言でいっても、植物由来だったり動物由来だったり、人間の神経を冒すものや血液を冒すものがあったり、その種類は様々だ。本書はそれらをごく簡単に分類して解説する、”毒”の入門書である。
本書でたびたび指摘されるのは”毒とクスリは紙一重”ということだ。人間を死に至らしめる毒でも、その毒の成分をうまく抽出したりできれば、それは薬となる。特に動物・植物由来の毒については、未来の新薬となるべきものも多々ある。
最終章では、毒物を使った殺人事件がいろいろと紹介されている。某マンガでも”毒殺という麻薬”という言葉が出てきたんだけど、ミステリーを読まない自分には範疇外かな。
身近な植物に含まれる毒から、BC兵器まで広く浅く知るには最適な本だ。ただし、酒飲んだりしながらだとヘンな気分になるので、お気をつけて。

初版2006/10 技術評論社/ソフトカバー

2006.11.28

F-4S Day4th

F-4Sは胴体の工作を開始。ペーパー掛けで消えたスジ彫りやリベットを復活させた後、アンテナを接着。垂直尾翼のピトー管はファインモールドの金属部品を使用。6mmの穴あけ、と説明書にはあるが、ちょっと厚みが足りないので、接着部分を削り込み、ピトー管を接着した後はパテで修正。ちなみに、こないだ買った光硬化パテはやっぱり使いにくいので、定番のパテに戻してます。
さらにヤスって、クレオスのH315を吹きつけ。
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垂直尾翼はいちおう全体をデカールでカバーするようになっているが、下地としてセミグロスブラックを吹きつけ。それをマスキングしてグレーを塗装。何も考えずにブワーっと吹いていると、シャドウつけるのに薄く吹いたブラックと混じり汚くなった場所があり、修正したため、ちょいと厚めの塗面に。うーん、どうも最近エアブラシがうまくいかないなあ。クレオスのエアブラシ専用のシンナーがいけないのだろうか。いつまで経っても悩ましい、エアブラシ塗装であることよ。

2006.11.27

雑誌まるごと2割引でダウンロード販売

自動車専門誌大手のネコ・パブリッシングは27日から、同社が発行する雑誌の全ページをインターネットから有料でダウンロードできるサービスを始める。(情報元:超音速備忘録さん)
くだんのサイトがこちらのデジマグ
なんかね、雑誌及び本大好きのオレとしては、あんまりいいニュースじゃないなあ。てゆうか、根本的に読みにくいと思うんだけど。
個人的なことだけど、エッチビデオをパソコンの小さな画面で見る気にはならないし、ホームビデオよりも写真の方がドラマを切り取って空気を伝えることもあると思う。メディアそれぞれに住み分けってあると思うんだけど。これってもはや古いのかなあ。
ただ雑誌をオンラインで売るよりも、KWATさんが<航空ファン>でやってらっしゃるように資料用に検索インデックスを作成するとか、もっと先にやることがあると思うニュースでした。

2006.11.26

F-117Aナイトホーク引退

少々旧聞に属するニュースですが・・・
世界初のステルス戦闘機であるF-117Aナイトホークの現役からの引退を祝うセレモニーが、今月初めにニューメキシコ州のホローマン空軍基地で関係者を集めて行われた。
”ホープレス・ダイヤモンド”ことF-117Aが引退した。設計当時のコンピューターの性能が低くて、RCSの解析ができなかったゆえに生まれたステルス機。ナイトホークの引退はまだ早いと思うんだけどなあ。

F-117Aが一般公開される前はミリオタも巻き込んで大騒動になったのも、今はいい思い出。ノスタルジーに浸りたい方はこちらへ。

不定期連載 ミリタリーマニアの長き道のり③ in1984
<ステルスってなんだ?F-19ってなんだ?>

書評<ロケットガール2>ほか

出張のお供に持っていったライトノベルを2冊ほど紹介。

天使は結果オーライ―ロケットガール〈2〉
野尻 抱介
聡明な女子高生である茜は、史上最年少の宇宙飛行士・ゆかりが搭乗した再突入体との出会いにより、宇宙飛行士になることを決意する。初飛行は、なんとトラブルに陥ったNASAのスペースシャトルの援助だった。

ソロモン諸島の弱小宇宙開発ベンチャーと、美少女アストロノーツが活躍するSF第2弾。前号は主人公・ゆかりがアストロノーツになるまでが中心だったが、今回は地球周回軌道がメインの舞台となる。弱小ながらも画期的な技術を持つ集団が宇宙開発の尖兵であるNASAを助けるという展開や、それぞれの立場に立つ技術者たちがプライドをかけてトラブル開発に取り組むドラマは文句なしに燃える。荒唐無稽ではあるが、物理的法則を覆すようなことは決してない、至極マジメなSFだ。
初版2006/11 富士見書房/富士見ファンタジア文庫

逆境戦隊バツ「×」〈1〉
坂本 康宏
食品会社に研究員として勤務するもてないオタク、騎馬は凄惨な事件に巻き込まれたあげく、正義の変身ヒーローにされてしまう。状況はまったく別だが、これまた逆境にある人事課の女性と一緒に、謎のクリーチャーに立ち向かう。

新人賞を取って以来、ちょっと注目していた作家さんなのだが、ようやく本領発揮の新作だ。とことん逆境におかれ、マイナス思考に陥りながら、ヒーローである矛盾。敵となるクリーチャーや被害者との関係が近いゆえに、揺れ動く感情。猜疑心や自己否定といった人間のマイナス面の感情を中心に据え、それでも生きていかなければならない矛盾を、戦隊モノというフォーマットの中で描いていく(前々作ではそれが変形ロボットだった)。本作はまだ1巻ということで、まだ主人公が立ち直って”真のヒーロー”になるというカタルシスまで達していないので、次巻に期待。
初版2006/11 早川書房/ハヤカワ文庫JA

2006.11.25

F-4S Day3rd

この間、会社でCSR(企業の社会的責任)なるもののミーティングがあったのだが、このCSR(Corporate Social Responsibility)が何の頭文字が知りたいとこだわるのも、ミリオタの性癖だと気づいた今日この頃。で、VF-151、CVN-70の”V"ってなに?

というわかで、F-4Sは出張で疲れ気味なのでミサイルなど少し進行。
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F-4SがUSSミッドウェイで現役だった1980年代前半はアメリカ海軍機は塗装の移行時期で、いろんな写真見てもミサイルと機体の塗装の組み合わせが断定しにくいので、ここは「CAG塗装機に最新の実弾を搭載」とオレ設定してスパローとサイドワインダーはグレーに塗装。

そんな作業をしていると、昨日、広島の実家から出したゆうパックが届く。その直後、業者から月曜に出荷したと連絡があったクロネコのメール便が届く。ゆうパック、がんばってるなあ。対してヤマトは「高いが速くて確実」という企業信用が崩れているのかも知れん。

2006.11.22

書評<反日マスコミの真実>

「反日マスコミ」の真実
西村幸祐 (編集)
客観的な正義など存在しないのだから、真に客観的な報道など存在しない。それにしても、TBSや朝日新聞の報道は、2ちゃんねるを中心としたネットというフィルターを通すと、その偏向ぶりは顕著だ。本書はそうしたマスコミの所業や、文化人たちの発言をまとめている。
まあ、ネタは2ちゃんねるではお馴染みのものばかりだが、中にはその昔、朝日新聞が中国の文革を礼賛した記事なんかも掲載されており、なんと共産主義への憧憬の強いことよ、と感じる。”あのころ”を過ごした人たちが一掃されない限り、この傾向は消えないんだろうな、と思う。
ただ、こっちも反省する点があるとは思う。例えば先のアメリカの中間選挙。事前報道でNHKなどは強烈に民主党の勝利をプッシュしていたのだが、オレなんかは「ブッシュ嫌いという自作の偏向フィルターをNHKが被せているだけで、そんなことにはならないんじゃないの」と思っていたのだが、民主党は上院・下院とも勝利、その代償にアメリカ軍をかき回したラムズフェルド国防長官が辞任する結果になった。メディア・リテラシーってのは難しい。

初版2006/11 オークラ出版/ムック


2006.11.21

本日購入のマンガ 061121

いつもと違う書店に行くと、コミックフェアなどやっていて目的以外のマンガも買ってしまう。

イキガミ 1 (1)
幼児期に無作為に射たれた注射により、1000人に1人の若者が24時間前の通告後に死亡するという「国家繁栄法」なる法律が施行された日本。様々な状況に置かれている若者たちが、自分が24時間後に死亡すると突然告げられたときに、どのような行動をとるか。

有名人が「感動した」「泣いた」というオビにひかれて、つい購入してしまったが、イマイチ。「国家繁栄法」なる法律が施行されているなら、それなりに社会が変化していて当然なのに、「死を告げる主人公の苦悩」と「24時間後に死亡が通告された男女の行動」が今現在の現実の延長でしかないのね。世界観設定がまったく生かされていない、と思うのはオレがSFあるいはアニメに拠って作品を見ているからか。

ヨルムンガンド 1 (1)
東欧の某国。そこに暗躍する若き武器商人ココと傭兵たちのチームに少年兵・ヨナが加わるところから物語は始まる。武器商人たちとその顧客たちの虚々実々の駆け引きと銃撃戦を描く。

サンデーGXの”銃撃ちマンガフェア”にのせられて購入。設定自体はキライじゃないんだけど、その設定よりはキャラクターを楽しむマンガのようなので、自分には向かないかな。

カラスヤサトシ
月刊アフタヌーンのかたすみに連載されたギャグ4コマ。カバーの裏表紙までビッシリ書かれて4コマは、すべて作者の実体験であり、ささいな日常をギャグに昇華している。ギャグマシーンのような”知人”が多いのも、作者の人格の賜物なんだろう。読み切るのにマンガとしてはとてつもない時間がかかるので注意。

後は定番。ワイルダネス 5 (5)はセニョール・アルバレスが殺伐とした撃ち合いの中にいい味を出している。ブラック・ラグーン 6 (6)は前巻までのヘビーな展開から一転、軽めのチェイス&強敵再登場の前フリ。いろいろと伏線もあるようなので、次巻に期待しましょう。

2006.11.20

書評<吉永さんちのガーゴイル>

吉永さん家のガーゴイル 11
田口仙年堂
曲がったことが大嫌いな暴力少女・双葉と、錬金術によって生み出された全自動犬型門番である石像・ガーゴイルを軸に、ご町内でバタバタと繰り広げられるハートフル・コメディ。全自動石像といってもイメージしにくいが、個性を持ち、”目からビーム”などの武器も持つ、オールラウンダー自律ロボット、といったところか。今シーズン、アニメ化もされた人気シリーズを一気読みしてみる。

タキシードを着たベタな怪盗や、同じく錬金術で作られた門番たちをライバルとして登場させながら、基本的には暖かい家族やご近所さんの絆を描いている。プロレス大好きで男の子みたいな双葉と、生まれが昭和初期の門番ということで思考パターンが古風で固いガーゴイルが、シリーズを通して成長し合うのが微笑ましい。また、過去を体験できる装置で昭和初期、太平洋戦争末期を主人公たちに体験させることにより、”銃後”としての日本と戦争がいかなるものであったか描写したりするのは、ライトノベルでは珍しいのではないのだろうか。珍しいと言えば、演劇の場面などで過去の古典をあらかじめ紹介して物語のテーマに据える書き方もおもしろいと思う。基本的にはお気楽なコメディだが、その中で家族の絆、それを”守る”とはどういうことかを描写しようとする著者の姿勢は好感が持てる。

初版2006/10 エンターブレイン/ファミ通文庫

2006.11.19

F-4S Day2nd

ボジョレ・ヌーボーを痛飲して赤い吐瀉物を吐いたあげく、二日酔いで休日をムダにする。慣れないものを飲むものではない。
F-4Sは脚扉やキャノピーなどチョコチョコと。
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アメリカ海軍機は脚扉のフチが危険防止のため赤く塗装されているのだが、これをキレイに塗るテクを最近知る。ラッカーで表/裏を塗った後、エナメルでレッドを塗り、はみ出した部分をエナメルシンナーを含ませた綿棒でふき取る。単純だけど、まだまだ活用できるテクがあるもんだ。

それとタミヤさんちの光硬化パテを始めて試してみたんですが、どうもプラへの食いつきが悪いし、ベタつく。これは仕様?それとも、よっぽど下地を荒らさなきゃいけないんでしょうか。コツをご存知の方はご教授ください。

2006.11.18

アメリカ空軍が地下施設攻撃用特殊兵器を開発中

アメリカ空軍が地下に穴を掘りながら進み、地下深くに存在する敵基地まで到達したらそこで爆発を起こすことで通常の兵器では破壊不可能な地下基地を破壊する特殊な兵器の開発を進めていることがGD社の公開資料により明らかとなった。

リンク先には”ジェットモグラ”とありますが、どう考えても<エリア88>で搭乗した”グランドスラム”の方が的確な例えではないかと。この地底掘削兵器、よくよく読んでみるとエラく小さくて、20時間稼動する動力源や、炸薬量とか疑問がいろいろある。でも、こういう海のものとも山のものとも分からないモノをとりあえず開発させてみるところが、アメリカ軍の懐の広さだよなあ。

2006.11.16

F-4S Day1st

先日、在庫を整理していたところ、デカールがやばめに劣化し始めているものを発見したので、いろいろ作りたいものもあるのですが、急きょコイツを作ります。
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御馴染みハセガワの1/72のF-4S。F-4JをSLEPして海軍で最後まで現役にとどまったファントムⅡ。空戦性能の向上のために、前縁フラップを装備したのが外観上目立つところでしょうか。塗装はあえて”ミッドウェイの赤い稲妻”ではなくあえてVF-151でいこうかと思ってます。いわゆるファーストロットで後生大事に在庫していたのですが、劣化させてしまっては意味がないので、昇天させてあげましょう。
というわけで、今宵は一気に胴体の組上げまで。
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どこかで合わせるとどこかで何かがずれる、ハセガワの1/72ファントムⅡの胴体ですが、ペーパーがけのときになるべくスジ彫りを消さない方向で接着。シートはファインモールドのシートベルトセットを使いましたが、シートだけ妙に豪華で浮いてしまう感じがするので、ちょっと再検討中。
後がいろいろ控えているので、手早く行きましょう。

2006.11.14

本日の気になりニュース 061114

本日のサッカーU-21日本代表vs韓国代表、監督はともにベルマーレ所属だった反町氏とミョンボ兄さん。Jリーグもそれなりに歴史を刻んでいることを感じると同時に、自分のムダに重ねた年月を反省する。んでもって、本日の気になりニュース。

キティホークに中国軍潜水艦が接近、魚雷射程内に
ワシントン・タイムズによると、10月26日、沖縄近海で、中国の<宋級>と呼ばれるディーゼル推進の攻撃型潜水艦が、キティホークの約8キロ以内に探知されずに近づいた。
S-3Bのリタイア、空母搭載ヘリの多用途化(ASW専業から装備を落としている)と、CSG(空母打撃群)のASW能力が相対的に落ちている上に、潜水艦が探知しづらい浅海域でのことなので、「中国潜水艦はスゴイ!」とはならないが、東シナ海がますますキナ臭くなっているのは確か。太平洋軍司令官がわざわざ発表するということは、予算獲得とかいろいろ意味がありそうだ。

エアバスA380が製造工程大幅遅延
エアバス・インダストリー社が社運をかけて開発に着手した超大型旅客機「A380」の生産が遅れに遅れを重ね、終にには財政難に陥った会社に対してドイツ政府が資金援助にまで乗り出す羽目に陥った
従来の旅客機とはかけ離れているがゆえ、工程管理が難しいA380。A380には通常の”エアバス”とは違う能力が求められるだけに、その準備が足りなかったということか。近日中に成田にも飛来するらしいが、日本の航空会社は見向きもしないだろうなあ。

2006.11.13

F-14A Completed

フジミ1/72F-14Aトムキャット、完成しました。
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F-14トムキャットはアメリカ空・海軍の共通戦闘機の挫折により開発がスタート、1973年より実戦配備に着き、2006年9月にラストフライトを実施して引退した艦載戦闘機です。VG翼による高機動性と、高度なFCSとAIM-54フェニックスとの組み合わせによる同時多目標処理能力で”世界最強”と謳われました。ライバルであったF-15イーグルのF100ターボファンエンジンよりセンシティブなTF30装備というハンディがありながら、機動性は互角だったことを考えると、VG翼の効果がうかがえます。反面、複雑な構造により整備に手間がかかり、また空母機動グループの主な脅威であったソ連の消滅により長距離のエアカバーが必要なくなったことが、同世代の戦闘機と比べて引退を早めました。
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キットはフジミの1/72をストレート組み。コクピットの一部およびアンテナ類をファインモールドのエッチングおよび金属部品に交換しています。仮組みを慎重に行えばそう問題のないキットですが、そうしなかったので(笑)機首およびテール部分をエポキシパテで修正しています。VG翼は後から差込む方式で可動ですが、胴体と主翼が重なるキャンパス部分が選択式なので実質どちらかで固定となります。
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塗装はスペードマークが粋なVF-41"BlackAces"。1981にリビア沖のシドラ湾でSu-22Mを撃墜したAJ102を再現しています。垂直尾翼に撃墜スコアを記入していますが、実はこの塗装で撃墜スコアを記入した写真はAJ107しかみた記憶がなく、不正確だったりします。余談ですがVF-41のトムキャットはトム・クランシー著「レッド・オクトーバーを追え」でYak-38フォージャーに撃墜されかかったりもしています。
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子供のころに”最新兵器大図鑑”といった本で世界一と紹介されたトムキャットの引退は、しみじみ時代の流れを感じることとなりました。長く作り続けたトムキャットですが、今後もまた作り続けると思います。

2006.11.12

F-14A Day6th

子供のように悪夢で目を覚ます日曜日。心臓がバクバクしてるのに「怖かった!」ぐらいしか思い出せない。夢ってのはつくづくフシギだ。
そんなことには関係なく、トムキャットは脚など接着したあと、デカール貼り。
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やや古いキットなので、デカールは劣化気味で、クレオスのマークセッターを片手に作業。例によって「NO STEP」を根気良く張り続けることから始めて約1時間で終了。やや時間をおいて、機首側面のプローブアンテナなどデリケートな部品を最後に取り付け。今回はストレート基本の自分には珍しく機首周辺のアンテナ類をファインモールドのディテールアップパーツに交換。機首のアンテナは見栄えがいいのは当たり前だけど、強度の面でも作業がしやすいのでグッドです。
さて、デカールの乾燥を待って最後の作業に移りましょう。

2006.11.11

F-14A Day5th

昨日の夜にマスキングなど済まして、トムキャットの全体塗装。
外は雨、洗濯物を1DKのアパートに中干しして湿度80%、という中でエアブラシ塗装を決行。案の定、途中から水分が混入、エライことに。エライことになった部分をペーパーで落とし、ファンヒーターを点火して湿気を追い出し、2度目の塗装でようやく落ち着く。
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結果的に2度塗りになり、塗料をムダに消費するわ塗面が厚くなるわ、ちょっとブルー。ここまで来たら立ち止まらずに一気にいくことにし、続いてウォッシング。
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アメリカ海軍の現用機というと、まさに汚れとタッチアップの嵐で、それを再現するのに模型誌にもいろいろテクニックが掲載されている。夏には小樽に入港したキティホークの艦載機に、足跡がべったり付着してたりするのを観察している。なのだが、あんまり”マダラ”にしたりウェザリングをやりすぎたりする気にはならず、スミ入れは薄く、ウェザリングも控えめに。このへんはリアルではないんだけど、個人の好みを優先。まあ、それがプラモデル製作ってことで。

2006.11.10

書評<テレビ標本箱>

テレビ標本箱
小田嶋 隆
地上波テレビ放送は大きな利権が絡む、政府の許認可事業だ。なおかつ、スポンサーから集金して我々に広告を届ける事業でもある。ゆえに、そこから発せられる情報は、歪む。考えると当然のことなのだが、最近までそのことに気づかなかった。いや、テレビ局がそれを巧妙に隠していたはずなのに、それが露骨に見えてしまうようになったんだと思う。もちろん、情報を様々な角度から検証できるネットの発達は大きいが、テレビ局自体もなりふりかまわなくなっているんだろう。映画やCMの番宣が連なるワイドショー、明らかに手抜き編成の改変期、政治やスポーツをバラエティとしか演出できない番組。愚かな大衆に向けた、愚かなメディア。
本書はそうした地上波テレビ放送の現状を鋭く抉ったコラムをまとめたものだ。著者の週刊誌連載をまとめたもので、軽妙なジョークを交えたコラムに、上記のような末期的なテレビメディアの現状が見える。洒落を交えた皮肉に、テレビを見ていたときに感じた違和感の正体が分かり、思わずうなづいてしまう分析力と表現力に脱帽。
問題は、それだけ分かっていてもテレビをやめられないことだな。さすがに最近はNHKがほとんどのような気もするが。受信料を払っているかはヒミツ。

初版2006/11 中央公論新社/中公新書ラクレ

2006.11.08

書評<世紀の大怪獣!!オカダ―岡田斗司夫のお蔵出し>

世紀の大怪獣!!オカダ―岡田斗司夫のお蔵出し
岡田斗司夫
岡田斗司夫氏のエッセイやインタビューをまとめた絶版本の再販。
主に2つのパートに分かれており、前半がエヴァンゲリオンのブームの際のデラべっぴんに掲載された評論など主に90年代中盤に展開されたオタク論やオウム真理教絡みの原稿、後半が岡田斗司夫氏の原点であるゼネプロ当時の同人誌に掲載された原稿や王立宇宙軍製作時のインタビューなど、80年代中盤の活動が掲載されている。
90年代中盤のころの評論については、あのころ自分が感じていたエヴァに関する評論やオウム真理教への批判への違和感が見事に指摘されている。これを出版当時に読んでいたら、影響されまっくていただろうと思う。あのころにブログがあったら、パクリ同然の文章、書いてただろうな。
後半のゼネプロ時代の話については、ノリノリでオタクをやってたころの著者の”熱さ”が伝わってくる。自分のようにオタク文化をただ消費するだけでなく、クリエイターまで経験しているのだ。ここが氏の強さと説得力の根源だと思う。
今現在のオタク業界とつながっているところ、断絶してしまったところ。岡田氏がどんな活動をしていたか、どんな評論を書いていたかで、10年単位での変遷を垣間見ることができると言っても、過言ではないかも知れない。少なくとも、そういうテーマを考えるきっかけとなりうるのが本書であると思う。

初版1998/07 イーストプレス/ソフトカバー

なお、購入を検討の場合は出版評論社NetShopまで。

2006.11.07

中国国産の無人ステルス機<暗剣>が公開など

中国がロシアよりSu-33購入予定
中国がSu-33を最大で50機、約25億ドルで購入する方向で最終調整していることが5日、分かった。
Su-33はSu-27にカナードを追加した艦載型。ちょっと前にスクラップとして購入したワリヤーグを現役復帰のため改装中、なんて真偽のほどが不明なニュースとあいまって、なんだか不穏な感じが漂う。まあ、空母を戦力として運用することがいかに困難かは、あちこちで指摘されているので省略。
しかし、中国空軍が導入中のフランカーはSu-30MKKという、Su-27のマルチロール型。極言すればSu-27にカナードをつけただけのSu-33より進化した、いわば第2世代のフランカー。なぜにSu-33に戻る?主翼の折りたたみ機構や着艦フック装備ぐらい、50機も導入するんだったらオーダーメイドしてくれそうなもんだが。

中国の航空ショーで無人ステルス機の模型が公開
中国で31日、国内唯一の国際的航空ショー「China International Aviation and Aerospace Exhibition」が珠海市(Zhuhai)で開催された。
その中で、中国国産の無人ステルス機<暗剣>が公開されている。
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正直に言います。これがホントに飛ぶのかとか、ステルス性能とか別として、カッコイイと思っちゃいました。
だって、X-45UCAVとか
Images
X-47とか
X47a2
よりも、個人的には燃えるデザインだと思うのですが。

てゆーか、似た機体がアニメに登場したと思うんだけど、なんだっけ?どうしても思い出せん。

2006.11.06

書評<科学史の事件簿>

科学史の事件簿
「科学朝日」編集
韓国の科学者がES細胞に関するデータを捏造し、全世界的なスキャンダルになったことは記憶に新しい。真実を探求する科学者といえど、名誉や金銭に対する欲求のために道を踏み外すこともなる。本書はそうした科学の世界のスキャンダルを、科学者ごとに短く紹介する。対象は主に19世紀末から20世紀はじめの科学者が中心となる。
”スキャンダル”と一口にいっても、そのパターンはバリエーションに富む。データの捏造といった”常道”から、残酷な動物実験をためらわず公開で実施するという、存在そのものがスキャンダルといえる科学者(ゆえに解剖学に多大な貢献をしたともいえる)、1人の女性を軸に互いに中傷を繰り返す科学者など、科学の”裏面史”を知ることができる。また、実績を残した著名な科学者も、その奇矯な行動が紹介される。
”科学”というものが生まれた19世紀、それはヨーロッパの中でも極めて限られた世界の中の競争で、それゆえに名誉や権力が今にも増して強力に絡んでいた。その中での論争を経て、今の我々の知る”科学の教科書”がある。そうした歴史も異なる一面を知ることができる。

初版2000/07 朝日新聞社/新書

2006.11.05

F-14A Day4th

天気予報がまるで外れ土砂降りの1日、かと思うと、同じ札幌市内を移動すると晴れてたりする、ヘンな1日。
そんなこんなで?トムキャット、ペーパー掛けとキャノピー製作。
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記憶のなかではこのトムキャット、合いはそこそこ良かったはずなのだが、なんだかんだで段差が大きく、エポキシパテの世話になる。中央のテール部分はジェットノズルにかぶるので、先に塗装しておく。
キャノピーの方はパーティングラインがあるので、600→1000→1500→2000でペーパーを当て、最後はコンパウンド。バックミラーはともかく、ご丁寧にもキャノピースルー用導爆索(コレ、放電索という記述もあるんだけどどっち?)がエッチングパーツなので、クレオスの美透明接着剤を使用。
なんだかんだでなかなか全体塗装にうつれないなあ。もっとサクっと完成させるはずだったんだが。焦らずにいこう。

2006.11.03

本日のお買い物 061104

ちょいと仕事で4丁目プラザに行く用事があったので、ピボのセントラルホビーに寄って、また余計なお買い物。
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エレールとエアフィックスが逝ってしまったということで、再建を願って購入。このエタンダール、見つけたのは半年ぐらい前で、これをオレが買っていればあんなことには、とかありえないことを思ってしまった。決して成長は見込めない趣味の産業、ユーザーが買い支えなければならないんです(誰に言ってるんだ?オレは)。
ホークの方は正直、フジミの方が組み易そう。ささっと作って、こないだのブルーエンジェルズ・スカイホークの隣にならべてやろうかな。

2006.11.01

書評<空母ミッドウェイ>

空母ミッドウェイ―アメリカ海軍下士官の航海記  USS MIDWAY CV-41
ジロミ・スミス  Jiromi SMITH
Kojii.netの中の人推奨>
かつて、横須賀を母港としたアメリカ海軍空母<ミッドウェイ>。本書はミッドウェイ搭載の”CVヒーロー”、シーキングの整備員だった著者が自らの経験をまとめた航海記である。
空母に関する本は多数あるが、航行中の空母での任務や生活の実態を記したものは案外と少ない気がする。食事や勤務時間の実態や、格納庫の部署割や人間関係など、リアルな”空母での生活”を感じられる。エレクトロニクス整備に関する部署の人間は高飛車、なんてのは一般的な会社の縮図だよなあ、と笑える。一方で、人間も機械も限界まで稼動させる激しい任務に、その厳しさを感じることができる。
<ミッドウェイ>は横須賀を母港にしたときには既に”ベテラン”であった。冷戦下のソ連にちょっかいをかけ、湾岸戦争にも参加し、常に最前線にあった<ミッドウェイ>が歴史上・戦略上果たした役割、といった上から視点ではなく、乗員たちにとってどんなフネだったのか、知ることができる良書だ。

初版2006/02 光人社/ソフトカバー

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