書評<空母ミッドウェイ>
空母ミッドウェイ―アメリカ海軍下士官の航海記 USS MIDWAY CV-41
ジロミ・スミス Jiromi SMITH
<Kojii.netの中の人推奨>
かつて、横須賀を母港としたアメリカ海軍空母<ミッドウェイ>。本書はミッドウェイ搭載の”CVヒーロー”、シーキングの整備員だった著者が自らの経験をまとめた航海記である。
空母に関する本は多数あるが、航行中の空母での任務や生活の実態を記したものは案外と少ない気がする。食事や勤務時間の実態や、格納庫の部署割や人間関係など、リアルな”空母での生活”を感じられる。エレクトロニクス整備に関する部署の人間は高飛車、なんてのは一般的な会社の縮図だよなあ、と笑える。一方で、人間も機械も限界まで稼動させる激しい任務に、その厳しさを感じることができる。
<ミッドウェイ>は横須賀を母港にしたときには既に”ベテラン”であった。冷戦下のソ連にちょっかいをかけ、湾岸戦争にも参加し、常に最前線にあった<ミッドウェイ>が歴史上・戦略上果たした役割、といった上から視点ではなく、乗員たちにとってどんなフネだったのか、知ることができる良書だ。
初版2006/02 光人社/ソフトカバー
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Comments
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こんばんは
コレはなかなか面白そうな本ですね。
料理(食事)とか洗濯とか
そういった日常生活に興味をそそられますね。
高温多湿な極東エリアでは、艦内は結構汗臭かったのではないかとか、勝手な想像をしてみたりします。
Posted by: ドカ山 | 2006.11.02 01:23
>ドカ山さん
こんばんは。
この著者はユーモアのセンスもいいので、ニヤっとしながら読めること請け合いです。
それと、日本の造船および周辺技術ってのはスゴイんだなあ、と改めて実感もできます。
Posted by: ウイングバック | 2006.11.02 17:23