書評<ギボギボ90分!―と学会レポート>
ギボギボ90分!―と学会レポート
と学会 編集
90年代初期にテレビのオカルト・バラエティ界に彗星のごとく現れた宜保愛子。個人的にはとんねるずの貴さんのパロディの方が印象が強いのだが、ともかく一世を風靡したことは確か。本書は、1本のVTRをと学会の面々が分析し、対談形式で宜保愛子の霊視がいかなるものであったかを検証する。昨今はびこる”スピリチュアルな人々”がどのような方法で霊視なるものを実践しているのか、参考になるものである。
あまり知られていることではなかったようだが、宜保愛子は英語が堪能なインテリであった。いかにも”おばちゃん”然とした風貌とのギャップを利用して出演者や視聴者を惑わし、会話や心理学のテクニックを駆使して”霊視”を行うことを検証していく。また、”霊視”の前にはその対象を綿密にリサーチしていることを、番組での宜保愛子の発言から推測し、証明していく。
優秀な占い師やカウンセラーといった人がいかに細やかな会話をしているか、我々やテレビの業界の人たちがいかに油断したままいい加減に会話し、情報を仕入れているか。と学会の本ということで、ノリは軽いが重要なことが示唆されていると思う。
初版2006/11 楽工社/ソフトカバー
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