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書評<超陸戦兵器 FUTURE COMBAT SYSTEMS>

超陸戦兵器 FUTURE COMBAT SYSTEMS―21世紀の戦場を支配する近未来兵器と米陸軍改革の全貌

現在、アメリカ陸軍はM1エイブラムスやM2ブラッドレーを中心とした機甲師団の後継車両を開発を中心とした、FCS(FutureCombatSystem)計画を進めている。計画が予定通り進行すれば、車両はじめ戦闘システム全体が更新されることとなる。本書は軍事研究で連載されたFCSの詳細な開発計画をまとめたものである。
FCSの特徴は何点かに集約される。まず、航空手段にて緊急展開できるよう、車両が軽量化されること。これはMBTや砲兵部隊も例外ではない。次に、無人機が大幅に導入され、それなしの戦闘は想定されていないこと。無人機のセンサーをフル活用することでFirstLook・FirstKillの基本を徹底して敵を殲滅することが要諦となる。そして現在進行形であるNCW、ネットワークを中心とした戦闘が徹底されること。無人・有人兵器含めて、詳細なデータのやり取りにより、常に戦闘を有利に進める。
このように、兵器自体の進化というよりは、陸戦自体に革命的な変化を起こそうとする計画であることは間違いない。もちろん、疑問点もある。現在のイラク戦では、機甲戦では無敵だったM1エイブラムスでさえ、市街戦でIED(即製の不審爆発物)で損傷している。アクティブな防御手段も開発中とはいえ、MBTの重量が半分になるのは、いかにも不安だ。さらに、電波妨害などで万が一、ネットワークが途切れてしまうと、スタンドアローンでは個々のFCS車両は現状の戦闘車両の能力とそう変わらないように思える。
そういった不安面が気になるのは、すでにオレも守旧派ということか。とにもかくにも、アメリカ陸軍の将来計画がいかなるものかの詳細な資料であることは間違いないです。


初版2006/11 アドリアネ企画/ムック

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Comments

「すべてナンセンスです。歩兵を欠いては占領はできません」…でしたっけ。
FCSは効率的に敵を撃破・排除できるとは思いますが、占領はできるんでしょうか。
占領できる目処もなくほいほいFCSを前線に送り込むのもヘンだし。
素人考えですかねえ。

Posted by: Hi-Low-Mix | 2006.12.07 at 21:26

>Hi-Low-Mixさん
アメリカ軍は遠征軍にも関わらず、そのヘン、弱いですね。自分たちの民主主義が絶対なのでしょう。
日本みたいに変わり身の早い民族の方が、むしろ少数派のような気もするのですが。

Posted by: ウイングバック | 2006.12.08 at 09:11

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