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書評<太陽の簒奪者>

太陽の簒奪者
野尻 抱介
西暦2006年、突如水星から隕石が吹き出し、太陽の光を遮るリングを形成し始める。徐々に、それは高度な知能と技術を持つ異星人によるミッションであることが明らかになっていく。日照量の低下による気候変動により、破滅の危機に直面する人類。わずかな可能性に賭け、リングの破壊ミッションが実行に移される。


その気になれば数時間で読み切れる文量、会話が中心の平易な文体でありながら、太陽系全体を舞台にした宇宙ミッションと、異星人とのコンタクトを描くハードSFの”匂い”を感じさせる不思議な作品。異星人とのコンタクトに関しては、やや古いSFを基本にはしているが、今現在の科学が反映されており、SFもまた進化している、と感じることができる。海外のハードSF作品と比べると、いかにもボリュームが不足して感はあるが(単純に本の厚さのことですが)、感じられるセンス・オブ・ワンダーは変わらないのではないのではないか。ライトノベルから一歩進み、SFへの入門に最適な1冊だと思う。

初版2005/03 早川書房/ハヤカワ文庫JA

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