書評<クレギオンシリーズ>
ベクフットの虜 クレギオン7
野尻 抱介
安定した生活よりも常に冒険を求めるロクデナシ中年社長・ロイドと、ロイドとのコンビをなぜか解消できない凄腕女性パイロット・マージ。2人は弱小運輸会社として、銀河を仕事を求めながら恒星間宇宙船で旅している。とある事件で密航した美少女・メイを巻き込んで、3人は多様な宇宙での様々な事件に出くわすことになる。
ジャンプ航法による恒星間飛行が実現した世界でのスペース・オペラ。銀河全体にその地図を拡げているのにも関わらず、大戦による文明荒廃により重力制御とジャンプ航法以外のテクノロジーが失われているというのがミソで、設定に無理なく、存分に冒険物語が繰り広げられる。
本シリーズはまた、作品ごとに明確なテーマが定められているのも魅力だ。ガス惑星では生物がどのように発生するか。太陽系でいう土星のリングとはどのようなものなのか。ガンダムはじめ多くのSFで見られるスペースコロニーの構造と生活とは実際のところ、どういうものなのか。宇宙に関して、現時点での正確な知識を知ることができるシリーズだ。
それでいて、決して小難しい展開になるわけではない(元々は富士見ファンタジア文庫から刊行されたライトのベルだ)。後味のいい、ライトでありながら正統派SFだ。
最新7巻初版2004/11 早川書房/ハヤカワ文庫JA
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