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書評<ロケットボーイズ>

ロケットボーイズ〈上〉
ロケットボーイズ〈下〉 ROCKET BOYS 1/2
ホーマー ヒッカム・ジュニア  Homer H.,Jr. Hickam
ときは1950年代後半のアメリカ、場所はウエストバージニアの炭鉱町コールウッド。炭鉱技術者の息子、サニーはスプートニクを目撃した瞬間から、ロケット製作を決意する。幼馴染みや近くの町の生意気な天才少年を巻き込み、ゼロからロケットの製作と打ち上げに挑戦していく。推進剤を換え、学校の先生や炭鉱採掘会社の気のいい技術者の支援を得ながら、ロケットは射距離を増やしていく。やがてサニーたちは、街全体を巻き込んでいくことになる。

後に実際にNASAの技術者となった著者の自伝的小説。ロケット打ち上げに高校生活をかけた少年の青春を描き、爽やかな読後感を残す。主人公はアメフトのスター選手だった兄に対するコンプレックスを抱え、また炭鉱一筋の頑固な父という壁にもぶち当たる。もちろん、高校生ともなると切ない失恋だってある。そういった日常を抱えながらも、彼は苦手な数学を克服し、ロケットを打ち上げる。
そして主人公の青春の舞台となるのが炭鉱の町コールウッド。常に事故と背中合わせ、そして石炭から石油に向かう、炭鉱斜陽の時代だ。気のいい炭鉱夫や技術者は、その家族も含めてどこかアイロニーが漂う。その彼・彼女らのサニーたちに対する支援は暖かい。さらに自らはリンパ腫をわずらいながらも、サニーたちを支援する高校の先生など、魅力的な人物たちがサニーたちを支える。アメリカにも、そんな時代と街があったのだ。
自分より少し大人だが、心底理解しあえる幼馴染。美人ではないが面倒見のいいお姉さん。そんな仲間や友達に囲まれながら、ロケット打ち上げに費やす日々。そんな青春を過ごした著者が心底、うらやましい。

初版1999/12  草思社/ハードカバー


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Comments

ウィングバックさん、こんにちは。

この小説は映画化もされてますが、そちらも
良い作品でしたよ。必見!

タイトルが「OctoberSky(邦題:遠い空の
向こうに)」と変更されているので、ご注意を。
「ロケットボーイ」や「ロケットボーイズ」で
探すと、日本のTVドラマがひっかかっちゃい
ますから。って、普通間違わないか(笑)

なんしか、ライリー先生が見たロケット打ち上げ
のシーンは、ジーンとくること請け合いです。

Posted by: 綾瀬 | 2007.01.23 at 10:47

>綾瀬さん
こんばんは。
さっそく見てみます。

Posted by: ウイングバック | 2007.01.24 at 17:12

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