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2007.01.02

書評<おまえの話はクルマばかり。>

おまえの話はクルマばかり。
楠みちはる
<湾岸ミッドナイト>の著者が、ヤンマガやMr.マガジンで連載したクルマの試乗レポートをまとめたもの。連載時には国産、外車含めていろいろ試乗しているが、その中からピックアップして掲載されているため、いきおいポルシェやフェラーリ、メルセデスなどの”世界の名車”が中心となっている。250でリミッターにあてたとか、さりげなく出てくるリアルレポート(笑)。その他に、著者の波乱の過去のエッセイも掲載されている。
だが著者の価値観が一番現れているのは、実は国産車のレポートではないかと思う。なぜNSXはスーパースポーツになりえなかったのか。クラウンに代表されるトヨタ車のスキのなさはいつ、どこから始まっているのか。GT-Rに乗るというのはどういうことなのか。ひらたく言えばクルマに”不良性”を求める著者が、日本車が踏み込めない面と日本車にしか持ちえない面を我々に教えてくれる。当たり前だが、<湾岸ミッドナイト>のチューナーたちの”語り”と補完関係にある。
レポートの初出がバブル初期から現在に渡っており、その間に自動車業界が揺れ動き、市場に出てくるクルマも随分様変わりしている。ポルシェやフェラーリはかつての”危うさ”がなくなった。メルセデスにはかつての”押し出し”が少なくなった(マイバッハとかトンデモないヤツもあるが)。そういった変化も感じ取れる、たんにクルマを褒めたり、けなしたりするだけではない奥行きのあるレポートだ。

初版2006/12 講談社/ソフトカバー

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Comments

ウイングバック 様
あけましておめでとうございます

年明けても相変わらずの快調ペースで模型の制作、読書と進んでますねぇ。
一冊/日くらいのペースで読まれるのでしょうか?
自分は性格なのか模型も読書もノンビリですが楽しんでいきます。
今年も素敵な完成品を楽しみに見させて頂きます。

>おにへいさん
明けましておめでとうございます。
暇人なだけですよ。
1日1冊なんて、読めませんよ(笑)。
ワタシものんびり行きますよ。

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