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2007.02.02

書評<「石油の呪縛」と人類>

「石油の呪縛」と人類  The Story Of Oil
ソニア・シャー  Sonia Shah
我々の生活の根幹を支え、それゆえに国家・企業・個人を翻弄する資源、石油。本書は石油が古代からどのように蓄積され、人類がそれを利用するようになった歴史、そして代替エネルギーまで、石油と人類に関わることをコンパクトにまとめている。
人類は古来より地球が生み出す様々なエネルギーを利用してきたが、産業革命以降の石油の利用ほど、人類の生活に革命を起こしたものはない。我々の物質文明は石油によって成り立っている。それゆえ、エネルギー確保は綺麗事では済まされない。
企業は環境を破壊しながら石油を掘る。その巨大さゆえ、ロックフェラーの亡霊たちは国家間の関係をもコントロールするという陰謀説を生み出すが、実際には海のものとも山のものとも分からない試掘を繰り返し、巨大ではあるがギャンブル的な経営をせざるをえない。
国家はその存続のため、石油確保に奔走する。なりふりかまわない先進国のエゴは、石油を生み出す発展途上国、特にアフリカ諸国を明らかに不幸にしている。だが、それはおよそ100年前から始まった、止まらないドライブだ。
自分(齢34)は小学生のとき、石油の埋蔵量は約30年、と教えられた。その後、掘削技術の向上や新たな油田の発見により、今現在も危機的なまでのピークという感じはしない(環境のことは別にして)。果たして、自分が生きているうちに石油が枯渇する日がくるのか?過度に巨大企業や国家の批判とはならず、科学的な事実に徹した石油に関する知識を再構築するに最適の1冊だ。

初版2007/01 集英社/集英社新書

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