書評<サッカーの上の雲>
サッカーの上の雲―オダジマタカシサッカ~コラム大全
小田嶋 隆
熱狂的なレッズ・ファンであり、皮肉とユーモアに溢れたコラムを書かせたら随一の著者のサッカーに関するコラム集。週刊誌・スポーツ誌の連載をまとめたもので、2つのワールドカップを経たおよそ5年間の日本のサッカーに関するコラムとなる。
著者がレッズ・ファンということで、その目線はJリーグとともにあり、選手たちの個性を筆者独特の視点と洒落で表現している。海外サッカーファンから見下ろされがちなJリーグファンの自分としては嬉しい限りだ。選手に対する愛の溢れる視線はサポーターの目線そのものであり、それでいて決して媚びない、皮肉にも溢れたコラムにときに笑い、ときに唸らされる。
筆者が愛するレッズはこの5年間で、敗北主義のアイロニー溢れるクラブから、日本で始めて現れたのかも知れないビッグクラブになった。筆者のアイロニー溢れるコラムは今後どこに向かうのか。要注目だ。
初版2007/01 駒草出版/ソフトカバー
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