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2007.03.29

書評<スポーツと国力>

スポーツと国力―巨人はなぜ勝てない
大坪 正則
アメリカのメジャーリーグと日本のプロ野球、プレミアリーグやリーガ・エスパニョーラとJリーグ。比べるのも酷なほど、その経営規模は格段に差がある。本書はその差がどこから生まれるかを解説する。プロスポーツをビジネスの視点から捉えたものであり、タイトルと内容は少し離れているが、それなりに興味深い本である。
戦力均衡を徹底しているMLB、NFLといったアメリカのプロスポーツ、自由競争を前提とするヨーロッパ各国のサッカーのプロリーグの歴史と構造を解説する。その対極的な構造と歴史的経緯は興味深い。
対してプロ野球とJリーグ。プロ野球はその成立の歴史的経緯から、中央集権でもない、自由競争でもないいびつな構造が際立つ。最終責任者がどこにもいない、その不思議な組織では、いつまでたっても”危機的な状況”からは脱することはできないだろう。Jリーグの方は、その地域密着の理念はしっかりしているものの、それゆえ利益が分散し、市場規模が大きくならない。
自分が札幌に住んで3年、バスケの世界大会があり、スキーの世界大会があったが、さっぱり盛り上がらなかった。盛り上がったのは日本ハムの日本一だが、それは継続するかは今だ疑問符。つきるところ、この日本ではスポーツへの関心が欧米各国に比べて全体的に薄く、スポーツそのものでビジネスが成り立ちにくいんだと思う。特に庶民ではなく裕福な方々において、優先順位が低い。それは教育によるものか、一時的に熱狂するがテンションが継続しない国民性か。GDPと人口がアメリカの1/2だから、スポーツ・ビジネスはやり方次第で広がる、と著者はまとめているが、さてそう楽観できるか?個人的には疑問だ。

初版2007/03  朝日新聞社出版局/新書 

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