書評<超能力番組を10倍楽しむ本>
超能力番組を10倍楽しむ本
山本 弘
先日、マジシャンのMr.マリックの半生を語る番組をちらりと見た。「私の超能力を本物と見るか、果たしてマジックと見るか?それはいずれも正しい。ただし、インチキと見るのは間違っている」との考え方・名ゼリフは、ユリ・ゲラーの超能力番組が大流行し、マジックが一時期廃れたことから生まれたものだそうだ。だが、当時、純然たるマジシャンだったマリックを失業させ、方向性を変えさせた超能力番組はひどいインチキで、ユリ・ゲラーから30年を経た今でも、テレビ各局はそうしたデタラメを流し続けている。果たして、我々はそうしたテレビのインチキに対して、それをいかに見破るか。と学会の中心メンバー、山本弘がその手法をまとめたのが本書である。
本書は、小学生高学年の男女が持つ疑問に、物知りの大人が答えるという、よくある学習書形式になっている。最初から「こんなのはデタラメ」と否定しても、子供は納得しない。懇切丁寧に、いかに番組製作のスタッフが捏造を重ね、恣意的な番組を作っているかを説明することで、子供も大人も納得できるものになっている。
固定概念で凝り固まることなく、常に観察し反証すること。一面から物事を見るだけではなく、多方面から資料を集めて検証すること。”メディアリテラシー”というとオーバーだが、ごく基本的なことで”誘導”を回避できることを著者は示唆している。
初版2007/02 楽工社/ソフトカバー
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Comments
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こんばんはー
超能力番組はいい加減に飽きてきたので
そろそろ
矢追さんのUFO特番を
おながいしたいですねえええ(・ω・)
Posted by: しょぼんぬ | 2007.04.10 19:37
>しょぼんぬさん
おはようございます。
UFO、最近は”驚異の映像特集”なんかで一部取り上げられるだけですもんね。
2時間スペシャルにドップリつかりたい(笑)。
Posted by: ウイングバック | 2007.04.11 09:58