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2007.04.19

書評<ブラックマジック>

ブラックマジック
柿沼 秀樹
シンクロニティっていうのは確かにあって、某家電量販店でたまたま見つけた80年代OVAの代表格ブラックマジック M-66のDVDを買った帰り道、TUTAYAでこの作品を購入。

<ネメシス>と呼ばれる管理コンピューターと、<ネメシス>によって遺伝子改変されたバイオロイドに管理された世界(ただし舞台は金星)。だが、すでに人口増加は限界にきており、行政機構は疲弊し始めていた。<ネメシス>はその解決策として、”人減らし”を選択したかのような政策をとり始めた。それに気づいた勢力が、行政機構を人間に取り戻すべく活動を始める。

タイトル通り、士郎正宗の過去の作品世界を借りてのオリジナルストーリー。原作には魔法的な要素もあるが、本作はアクションとガンバトルがメイン。スピーディーに話は進むが、原作のキーワードとなるガジェットを漏れなく盛り込むためにストーリーを組んだ感じで、登場人物たちの掘り下げも浅く、感情移入はしにくい。現在のラノベのメインターゲットは原作マンガの世界観など記憶にないはずで、それならばこういった構成になるのも致し方ないのかも。それと本作の主人公ダリィたちが危機に陥ると、原作の主人公テュフォンが神のごとく現われて助けてくれるのもどうにも違和感が残る。主人公たちが事件を解決するカタルシスがないのだ。
世界観を借りて、原作の登場人物に気を使いながらオリジナル・ストーリーを組むツラさがよく分かる作品である。

初版2007/04 ソフトバンクパブリッシング/GA文庫

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Comments

「某国のロボットウェポンは六足と聞きます…」
少佐は溜息をつきながらリコを促す。
「あっちへ行こうか」
「うっあぅ…」
「喋るな自然に振舞え」

うーーん、ほとんどのセリフがソラで書けそうだよw
厨房の頃の記憶力って素晴らしいですな。

>magus
まさにおっしゃるとおりで、10年以上ぶりに見るのに次のセリフが予想できる(笑)。
最近は買ってるコミックスの新巻が出るたびに1巻から読み直す始末ですが。

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