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2007.05.15

書評<イビチャ・オシムのサッカー世界を読み解く>

イビチャ・オシムのサッカー世界を読み解く
西部 謙司
先日、久しぶりにJ1<広島vs大宮>をスタジアムで観戦した。現在の広島のペトロヴィッチ監督はオシムの薫陶を受けた1人。2-1での勝利だったが、サポーターの常連さんたちは「最悪の出来」の評価。自分は中央センターラインの真ん中でプレッシャーがかからず、大宮が攻撃を組み立て始める場面が多いのが気になった。常連さんに聞くと「中盤で運動量が足りない」とのことだが、その一言には、何試合も継続してクラブの試合を見ていなければ分からない、含蓄が含まれている(その一言の後でサイドとの関係、プレッシャーをかける地点、労を惜しまないFWとさぼりがちなMFの関係など、延々と続く)。
本書はジェフ千葉のサポーターとして2003年より継続して試合を見続けたサッカー評論家の著者が、オシムのサッカーの長所と弱点を分析する。それは先に上げた常連さんのように、著者が観戦した試合を積み重ねたからこそ分かってきたことだ。ピックアップした試合の経過を、なぜそのような状態になったかを解説する。さら試合の結果や流れを決めたポイントを決め、オシムのサッカー理論の”キモ”を探っていく。
我々はどうしてもオシムの”言葉”やその人生の方に注目しがちだ。だが、ピッチにこそその哲学が表現される。本書は、今後の日本代表の試合を見る際の注目点がよく分かるガイドブックとなるだろう。

初版2007/05 双葉社/ソフトカバー

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